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「トモ コイズミ」、夢をリボンで結ぶ ケイティ・グランドらと再びタッグ

 トップスタイリストのケイティ・グランド(Katie Grand)に見いだされ、前回のニューヨーク・ファッション・ウイークでデビューショーを披露した「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」が再びニューヨーク・ファッション・ウイーク中にインスタレーションを行う。

 日時は9月6日19時。前回同様、場所は「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」の旗艦店で、スタイリングはケイティ・グランド、メイクはパット・マクグラス(Pat McGrath)、ヘアはグイド・パラウ(Guido Palau)が手掛ける。

 前回発表したオーガンジーのラッフルを幾重にも重ねた彫刻のような“売るつもりのない”ドレス群は、商業の街ニューヨークの地で業界関係者に夢のひとときを提供し、彼のコレクションは瞬く間にSNSで全世界に拡散された。

 小泉智貴デザイナーは、「前回のショーは夢のチームが協力してくれてギフトをもらったような気分だった。今回はそのお返しをしたい。“僕からのギフト”をコンセプトに見せる」と語る。鍵となるのは、福井の世界的リボン・テープメーカーのSHINDOのグログランのリボンだ。「ラッピングするイメージ」と小泉。「有機的なラインをイメージしながら箱のようなラインも表現する。ゴスロリやロココ、ガンダムの要素もミックスする」という。

 SHINDOのリボンは廃盤になったものを用いる。「次のコレクションも売るつもりがないから、廃盤になったリボンを美しく作り替えたいと考えた。また、用いる素材はオーガンジーだけではなく、新しい何かを用いたいという気持ちもあった。そうした時に、SHINDOの色が豊富なリボンを知る機会があり、色が重要な僕のドレスにも合うと考えた」。

作風の原点はジョン・ガリアーノのフリル使い、最初の仕事はパフュームの衣装

 小泉は、千葉大学在学中から独学で服作りに取り組んでいたという。「もともとはスタイリスト志望で、テストシューティング用に服を作っていた。必要ならば卒業後、専門学校で学ぼうと思っていた。けれど、作った服を友達に着せて出かけたらそれがスナップされて声がかかり、ブランド立ち上げにつながった」。

 特徴的なフリルやラッフルの作風の原点はジョン・ガリアーノ(John Galliano)が手掛けていた2003-04年秋冬の「クリスチャン ディオール(CHIRISTIAN DIOR)」のオートクチュール・コレクションだ。「ジョン・ガリアーノのクリエイションを初めて目にして、そのフリル使いに強く惹かれたし憧れた。その頃は今みたいにSNSもなかったから、ジョン・ガリアーノの作るものが見たくて毎回雑誌が出るのを楽しみにしていた」。

 コスチュームデザイナーとしての初めての仕事はパフューム(PERFUME)の衣装制作で、その後、さまざまに手掛けるようになった。そうして自身が作った衣装をインスタグラムでアップするようになり、それがケイティの目に留まった。ショーを行うと決まってから、ショーまで1カ月足らずだった。「これまでの蓄積していたものに加えて、(全27ルックのうち)半分を急ピッチで作った」という。そしてケイティの目に留まったドレスはデビューショーのラストルックを飾り、現在メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で開催中の企画展「キャンプ」で展示されている。展示後は、パーマネントコレクションとして所蔵される予定だ。

 「インスタグラムがきっかけで今があるわけだけど、うまく付き合っていかないとあっという間に消費されてしまうとも感じている。消費されないためにもゆっくりと歩んで生きたい。売るための服を作るのも時間をかけたい。だから今回発表するコレクションも売るつもりはない」と慎重だ。前回は、ニューヨークの高級店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)や英国の有力百貨店セルフリッジズ(SELFRIDGES)、香港発セレクトショップのジョイス(JOYCE)などから購入したいと引き合いがあったという。

 今後販売するにあたっては「例えば、店ごとに売るアイテムを替えて少量を卸売りするのはいいかもしれない。コスチュームデザイナーだから、要望に応えてカスタムメイクすることには慣れている。あるいは、商業的なブランドと組んで一般の方に手の届くものを作ってみるものいいかも。スローに特別なことをできたら」。