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三陽商会が新ウィメンズブランド「キャスト:」 オリジナル映画の登場人物になぞらえた3つのラインで訴求

 三陽商会は31日、20歳後半~30代前半向け新ウィメンズブランド「キャスト:(CAST:)」を2019年秋から立ち上げると発表した。ブランドコンセプトは“人生という物語を、演じるための服”で、価値観やライフスタイルの異なる女性像をアイコンに立てた3ラインを展開する。ファーストシーズンから百貨店を中心に約30店舗を出店、オリジナル映画を制作・放映し、イメージ戦略でも訴求して同社の課題であった若い女性客の獲得へアクセルを踏む。きょう31日にECを立ち上げ、8月1日に1号店となる路面店を東京・渋谷にオープンする。初年度の売り上げは20億円を目指す。

 各ラインのアイコンとなるのは、化粧品会社でそつなく仕事をこなすキャリアウーマンの“リサ”、フレンチレストランで働くパティシエの“アンナ”、シンガーソングライターで自由に生きる“カラ”。マニッシュなテイストの“リサ”ラインはジャケットやシャツ、甘めでフェミニンな“アンナ”はワンピースやドレス、カジュアルで遊び心のある“カラ”はナイロンブルゾンやダッドスニーカーと、商品のラインアップは明確に差別化する。中心価格帯はニットで1万4000円、スカート・パンツで1万4000円、アウターで3万円程度と、同社では比較的値ごろな価格に抑えた。

 路面店は売り場をラインで区分けし、それぞれの空間は3人の暮らす部屋をイメージして什器のテイストも変えた。カフェも併設し、フルーツジュースやコーヒーなど、3人のライフスタイルにマッチするドリンクを提供する。

 電通の協力のもと、3人の女性を主人公にした30分のオリジナル映画も制作した。31日は都内でプレス向けの試写会が開かれた。映画では、女優の飯豊まりえ演じるリサ、モデルのemma演じるアンナ、歌手の佐藤千亜妃が演じるカラが、共通の恋人に3股を掛けられていたことが発覚。協力して復讐劇を繰り広げる中で、自分らしくあることの大切さを知るというストーリーだ。また映画の視聴中にECで登場人物の着用アイテムを購入できるシステムを導入した。映画は同日からブランドホームページで公開している。

 ブランドのプロジェクトチームはターゲットと同世代の30代の社員で構成。ディレクターは、同社の「エポカ ザ ショップ(EPOCA THE SHOP)」バイヤーや婦人アパレルの企画・生産などを経験した是永亜美氏が務める。具体的な女性像を立てた点について是永氏は、「私たちと同じ世代の女性が本当に求めているアイテムをぶらさずに打ち出そうと考えた。お客さまも自分の着ている姿がイメージしやすいはず」と話す。映画によるユニークなプロモーションに加え、積極的な出店により認知を拡大し、同社の空白地帯であった若い女性の獲得を目指す。「モノづくりのこだわりという強みを生かしながら、長年の課題だったのは“発信力”。今後もさまざまな方法でブランド認知拡大のためのコミュニケーションを強化していく」と話す。2020年春夏シーズンについても、映画第2弾の制作を視野に入れているという。