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三陽商会、反撃ののろし 19年下期は新ブランドと直営強化に注力

 三陽商会は4期ぶりの営業黒字に向けて攻めの姿勢を鮮明にする。2015年の「バーバリー(BURBERRY)」事業の終了以降、コストカットなど守りの姿勢を余儀なくされてきた同社。下期(7~2月)から成長に向けた投資に本腰を入れ、直営店強化と新規事業により赤字幅の拡大した上期(1~6月期)の巻き返しを図る。併せてバリューチェーンにおけるAI(人工知能)の導入も進め、業務効率の改善も進める。

 直営店強化は、三陽銀座タワーを全面改装したギンザ・タイムレス・エイト(GINZA TIMELESS 8)の9月6日オープンが皮切りとなる。モノ作りのこだわりを発信する体験型スペースなどを備え、同社の強みであるクラフトマンシップを体現する10フロアの旗艦店として刷新。「エポカ ウオモ(EPOCA UOMO)」初の直営店を表参道ヒルズに、「ラブレス(LOVELESS)」を渋谷パルコにオープンし、「エポカ ザ ショップ」玉川高島屋S・C店も9月に改装してテコ入れする。値引き販売が粗利益率を悪化させた上期を反省材料に、下期は付加価値の高い素材づかいや新ライン展開などMD強化を推し進める。

 今秋には2つの新ブランドの立ち上げを予定する。20代後半~30代前半の女性に向けた新ブランドをきょう31日からECで、8月1日からは店舗展開をスタートする。百貨店、SC、直営と幅広いチャネルで初年度から約30店舗を展開し、初年度の売り上げ20億円を見込む。ギンザ・タイムレス・エイトに1号店を出すオーダースーツ業態「ストーリー アンド ザ スタディー(STORY & THE STUDY)」は、国内工場製造の品質にIT技術による身体的特徴の解析を掛け合わせることで先行業態と差別化し、23年2月期をメドに売上高25億円を目指す。

 バリューチェーンにおけるAIの導入も進める。すでに「マッキントッシュフィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」「ラブレス(LOVELESS)」の店舗では、AIカメラによる顧客導線分析を3月に試験導入。分析結果をもとにレイアウトやVMDを改善したところ、売り上げが前年同月比70%増と大幅に伸びた。9月をメドに直営54店舗に導入する。そのほか、2月に業務提携を結んだニューラルポケット社のAIによる需要予測システムをウィメンズ全ブランドに導入を完了しており、商品企画の精度向上のためのMD支援システムも6月に運用を開始した。

 同社は今期から決算期を2月期に変更するため、初年度は14カ月の変則決算になる。20年2月期通期の業績予想は、売上高725億円、営業利益6億円、純利益7億円のまま据え置く。「上期はスタート台から後退してしまった格好だが、下期は新規事業で反転攻勢に打って出る」(岩田功社長)。