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阪急阪神百貨店、日本初の「ウィーチャットペイスマート旗艦百貨店」に 化粧品予約受取サービスもスタート

 阪急阪神百貨店は、中国のITサービス大手の騰訊控股有限公司(テンセント・ホールディングス)が展開する中国最大のSNSアプリ「WeChat(微信・ウィーチャット)」を活用したサービスを提供する「ウィーチャットペイスマート旗艦百貨店」に、中国国外の百貨店として初めて認定された。

 16日からは阪急うめだ本店で「化粧品予約受取サービス」をスタートする。公式アカウントから前日3時までに予約、注文すれば、翌日3時以降には店頭で並ばずに商品を受け取ることができる。「友人から化粧品の購入を頼まれてまとめ買いする人が多く、これまでは行列ができてお客さまにストレスをかけていた。旅の時間を有効に使ってもらうためにも、スピーディーに購入できるサービスを実現した」(阪急阪神百貨店の山口俊比古・取締役執行役員)。同サービスは化粧品売り場の混雑緩和の狙いもあり、日本人顧客の不満解消にもつながる。

 同店は2017年に決済プラットフォーム「ウィーチャットペイ」を試験導入し、18年9月には阪急本店、阪神梅田本店、博多阪急、阪急メンズ東京など9店舗に本格導入。さらに、店員を介さずに注文を済ますことができる「レストランQRコードオーダーシステム」を阪急うめだ本店の飲食フロアに導入(現在5店舗)したほか、AIを活用した「店内案内」や、海外VIP顧客向け会員カードの「電子会員化」などのミニプログラム(ダウンロードなしで利用できるアプリ)の開発など、業界ではいち早く戦略的な取り組みを進めてきた。今年1月には、日本で初めてタックスリファンド(スマホ免税還付)サービスを導入。その結果、主要4店舗で利用できるウィーチャット内の公式アカウントのフォロワー数は現時点で約4万フォロワーに拡大している。

 テンセント社との取り組みについて、阪急阪神百貨店の荒木直也社長は「全店400億円強ある免税売り上げの約8割が中国大陸からのお客さまで、快適で便利なショッピング環境を提供するのはわれわれにとって重要なテーマ。ウィーチャットは中国人顧客の日常生活に欠かせないツールになっている。今後はウィーチャットで得たビッグデータを元にテンセント社と共同で新たなマーケティング活動を行い、世界一楽しい百貨店をめざす」と話す。

 現在の月間アクティブユーザー数8億人超という絶大な人気を誇るスマホ決済アプリ「ウィーチャットペイ」は、決済機能にとどまらず、マーケティングツールとしての機能を有しているのが大きな特徴だ。例えば、レストランのテーブルオーブーシステムやAIを活用したフロアガイドマップは、来店時にストレスとなる言葉の問題を解決するためのプログラム。「ネットでオーダーすることにより客の注文内容や金額が可視化でき、食の好みの把握やメニュー改善にもつながる」と、ウィーチャットペイのフリーダム・リー副総裁はマーケティング上のメリットを強調する。さらに、公式アカウントやミニプログラムなどを組み合わせたウィーチャットの「エコシステム」という仕組みを活用することで、旅行する前から帰国後までワンストップでソリューションを提供できる。「業界が抱える問題を解決できるのが最大の強み」(リー副総裁)という。

 現在、日本国内でウィーチャットペイのエコシステムを導入した認定企業は、ドン・キホーテと富士急行、新千歳空港、阪急阪神百貨店の4社のみ。荒木社長は「スマホを使ったショッピングジャーニーの仕組みはいずれ日本の消費者にも広がると思う。今回の取り組みが将来、日本人のスマートライフ、スマートショッピングの開発、マーケティング活動に役立つと考えている」と話している。