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凋落するギターロックの若き救世主スタークローラー 「ロックは必ず生き返る」

 ヒップホップやR&Bといったブラック・ミュージックがシーンの中心となり、ギターロックの凋落が叫ばれるいま、それに待ったをかけるバンドがいるーースタークローラー(Starcrawler)だ。2015年、圧倒的なライブパフォーマンスを見せるアロウ・デ・ワイルド(Arrow de Wilde)をリード・ボーカルに、ギターのヘンリー・キャッシュ(Henri Cash)、ベースのティム・フランコ(Tim Franco)、ドラムのオースティン・スミス(Austin Smith)の4人がロサンゼルスで結成。どこか懐かしさを感じる激しいギターリフやビートを奏でるウェストコースト・ロックを地で行きながらも、メンバーの年齢は18〜22歳で平均年齢約20歳というから驚きだ。

デビューアルバム「STARCRAWLER」収録曲で代表曲の1つ「I Love LA」

 昨年11月にデビューアルバム「STARCRAWLER」をリリースすると、フー・ファイターズ(Foo Fighters)のデイヴ・グロール(David Grohl)をはじめとした多くのロック界の重鎮が絶賛し、一躍スターダムへと駆け上がった。そして3月、待望の初来日公演を東京、愛知、大阪、京都の4カ所で敢行。さらに7月には「フジロックフェスティバル '18(FUJI ROCK FESTIVAL'18)」への出演も決まっている。そんな彼らが東京公演初日の朝、眠い目をこすりながらもアロウとティムがアルバムについて、彼らの音楽について、ファッションについて語ってくれた。

WWD:初来日の日本はどう?

アロウ:原宿で買い物したり、タワーレコード(TOWER RECORDS)でポール・マッカートニー(Paul McCartney)の日本版のレコードを買ったり、すごく楽しんでるわ! 

WWD:よかったです!(笑)。それでは、デビューアルバムについての感想を教えてください。

アロウ:初のアルバムリリースでちょっと不安もあったけど、興奮の方が強いかな。

ティム:アルバムの中で数曲仕上げられないものがあったけど、プロデューサーのライアン・アダムス(Ryan Adams)がアドバイスをくれてなんとか曲を仕上げることができたよ。彼のおかげで音の無駄を省く大切さを学んだかな。

 
WWD:楽曲を制作するにあたり、リフや歌詞などはどのように生まれる?

アロウ:ギターに関してはヘンリーが担当だから分からない(笑)。

ティム:メロディーと歌詞は自然と生まれてくるときもあれば、アロウと試行錯誤しながら制作することもあったね。

WWD:スタークローラーの音楽はモノや人など、具体的な着想源がある?

アロウ:音楽やモノっていうよりも、友だちや人から影響を受けることが多いかな。

WWD:いま音楽のメーンストリームはヒップホップやR&Bといったブラックミュージックで、あなたたちの音楽は時代と逆行しているようだが。

アロウ:今はヒップホップやR&Bが流行っているかもしれないけど、ロックは必ず生き返る。自分たちが好きな音はロック、好きなものをやり続けることに意味がある。

WWD:これからどのようなスタークローラーでありたい?今後の音楽活動で目指したいことは?

アロウ:「この年齢になったら家を買おう」とか「これを何歳までにしよう」ってみんな思ったりするけど、いまはそういうことについてはあまり考えないように自由に過ごしてるし、これからもずっと同じスタンスでありたい。もちろんみんな成長していくから、ずっと同じままとはいかないけど、私は今後もスタークローラーでロックをやり続けていきたいと思っているわ。

WWD:いま、世界中から注目を集めているが、逆に注目しているミュージシャンやアーティストはいる?

アロウ:オクラホマ出身の友人で同世代のスケーティング・ポリー(Skating Polly)っていう女の子2人組のバンド。曲がグランジですごくクールだからオススメ。

ティム:うーん、なかなか思いつかないなぁ(笑)。

 
WWD:音楽だけでなくファッション面でも注目を集めているが、こだわりはある?

アロウ:最近はスリップドレスを着たい気分なの。デイジー・チェーンソー(Daisy Chainsaw)っていう90年代のイギリスのバンドがいて、その女性ボーカルのケイティ・ジェーン・ガーサイド(Katrina Jane Garside)がスリップドレスを着ていたんだけど、そのドレスがホラー映画に出てくる女の子が着ているようなデザインで、それを見てハマったの!(笑)。

ティム:こだわりってなるとなかなか難しいな……。フォーマルなスタイルも好きだけど、カジュアルの方が好きだよ。スタイリングするときは1つのジャンルに絞らないで、カジュアルなアイテムとフォーマルなアイテムを組み合わせてバランスを取るように着るんだ。ちなみに今日かぶっている帽子はアロウから貰ったんだけど、もともとはアロウのおじいちゃんのなんだ(笑)。 

WWD:ステージ衣装とプライベートの服装は分けている?

アロウ:ステージ衣装は別に用意してるわ。写真撮影のときやステージ撮影のときに私服を着ることもあるけど、ライブで着ちゃうと私は汚しちゃうからね(笑)。プライベートと分けて着るようにしているわ。

ティム:まだステージで着たいものが定まっていないから“THE ステージ衣装”みたいなのはないけど、これからは普段よりももう少しドレッシーな服装でプレイしたいと思ってるよ。

WWD:衣装は自分たちで用意することが多い?

アロウ:買うこともあるけど、理想のものが手に入らない時は自分で作るわ。あとは衣装デザインをしていたドラムのオースティンのお母さんのツテで知り合いの人に作ってもらうこともあるね。

 
WWD:これからファッション・ブランドから引く手あまただと思うが、コラボしたいブランドはある?

アロウ:ファッションの広告があまり好きじゃないから意識したことはないけど、家族ぐるみでブランドの人と仲が良いから「ロダルテ(RODARTE)」は着てみたいかな。

ティム:僕も同じように今は考えられないけど、服を見て自分が好きだと思ったブランドならありかもね。

WWD:アーティストの2人にとってファッションとは?

アロウ:モデルをしたり、型にハマっているアーティストがいたりと、ファッションに対して考えることは人それぞれだと思う。さっきも言ったようにファッション広告はあまり好きじゃないけど、ファッションは好き。洋服は気分を上げてくれたり、自分が作り出したいイメージの手助けをしてくれるものだからね。

ティム:僕の母親は着せるものにすごくこだわりを持っている人で、その影響が今でも着る服に表れてるよ。僕は服を汚したり破っちゃったりするから、あまり良い服は着れない。質問に合った答えじゃなくてごめんね!(笑)。

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