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ファッション × K-POPが今年起こす音楽界の“韓流サードウェーブ”

HYUKOH「万里」のミュージックビデオ

 韓国ファッションビジネスのさまざまな潮流について紹介をする本連載だが、今回は韓国ファッションとは切っても切れない音楽業界について考えてみたい。注目すべきキーワードはズバリ、日本における“韓流サードウェーブ”だ。

 “韓流サードウェーブ”とは音楽メディアを運営するluteの五十嵐弘彦・社長が提唱する言葉で、つまりは日本で第3次的な韓国音楽の流行が起きているということだ。簡単に言えば、初期のBoA世代、第2次の韓流アイドルに続く流れのことで、それは音楽だけでなく趣味嗜好にこだわりを持つ、かなり感度の高い若きミュージシャンたちのことを指す。もちろん、ファッションへのこだわりも強く、彼らが総じてオシャレだ。そんな彼らを日本のレーベルやファッション業界が次々にフックアップしているという。

 “サードウェーブ”への流れを作ったのは間違いなくBIGBANG、特にG-DRAGONというファッションアイコンだろう。韓流アイドルは単純に衣装として洋服を着るのではなく、コレクションブランドの洋服をまとっていたり、地元のファッションデザイナーとの蜜月があったりと、かなり自由にファッションを楽しんでいる。そしてその印象を確立したのは、やはりG-DRAGONだったと思う。

シンガーソングライターのIUの「Palette」では、個人のラッパーとしてG-DRAGONが参加

 そんなG-DRAGONとコラボしたことでも知られる韓国の国民的歌手IUがフィーチャーし、一気にその名を知られることになったYGエンターテインメント傘下のインディーズバンドHYUKOHなどが“韓流サードウェーブ”のいい例だろう。彼らのMVの独特の世界観やファッションセンスなどはもちろんのこと、すでに「アイスクリーム(EYESCREAM)」の2017年09月号「韓国サブカルチャー新世紀」でカバーに登場した他、今年の「グリーンルーム フェスティバル’18(GREENROOM FESTIVAL’18)」への出演も決まっており、ファッション業界での知名度はかなり高い。

 ジャンルで言えば、もっとも注目されているのはヒップホップだろうか。ただ、日本に興味があるものの、まだまだ進出できていない韓国人アーティストも数多くいるという。これについて五十嵐社長は、「luteでも韓国に注目をしているが、総合的に韓国市場が先をいっているということを肌で感じている。なので、日本の音楽文化とも影響しあいながらこれからお互い発展させていく必要がある」と説明する。

luteは韓国のヒップホップレーベルHi-Lite Recordsと共同でMVを制作したことも

 だから、音楽という切り口に限らないで、日韓でさまざまなコラボレーションを実施することがある。その1つがやはりファッションだろう。例えば、アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)はさまざまなジャンルのアーティストとコラボした企画「PORT」で、韓国出身のR&BアーティストDEANとのコラボ商品を発売した。その際にはオンラインサイトにアクセスが集中してサーバーダウンするほどの人気だったという。また、今年1月には表参道ROCKETでは、韓国のクリエイターやアーティストなどを紹介する「KOREAN POP CULTURE NOW」も開催された。

 このように、まだ大きなトレンドではないが、“韓流サードウェーブ”は確かに始まっている。しかし、韓国と日本の音楽業界の仕組みが違うことなど、単純に韓国と同じやり方が日本で通用するというわけでもない。そこでファッション業界なども一丸となってこのトレンドを後押しているのだ。これからさらなる方面での露出が期待される“韓流サードウェーブ”という分野にぜひ注目したいと思う。