
渋谷区某所で、夜な夜な響く奇怪な音──。業界の一部では「1人の男が“刺している”音」だと囁かれている。その真相を確かめるべく、「WWDJAPAN」は恐る恐る現場に潜入。すると、怪しい髭の男が姿を現した。男の名はMr. TEE。昼はPR、夜は刺しゅう屋としてミシンの機械音を響かせ、これまでに藤井 風らのアーティストの衣装から、榮倉奈々が手掛ける「ニューナウ(NEWNOW)」、友人の私物まで、あらゆるアイテムに刺しゅうを施してきたという。自らを“超優良な刺し屋”と語るTEE、もとい山口貴紀が刺しゅうに見いだす可能性とは?(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月25日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
PROFILE: 山口貴紀(TEE)/EX+++ ショールーム ディレクター

Q. そもそも、なぜ刺しゅう屋に?
きっかけを教えてください。
PR会社を退職後、寝具のカバーブランドを始めようと計画していて、そこにカスタムで刺しゅうを入れられたら素敵だなと思っていたんです。ただ同時並行していたPRやイベント企画の仕事が忙しく、寝具ブランドはもう少し時間をかけて取り組むことにしたんです。とはいえ、刺しゅうマシンはすでに購入済み。講習会に出席したり、刺しゅう職人の方々に教えを受けたりと準備は進めていたので、「とりあえず縫うか!」と、インスタのストーリーズに制作風景を投稿しました。すると周りから「いい感じじゃん!」と反応をいただき、ありがたいことに仕事の依頼が舞い込んで今に至ります(笑)。
Q. これまでどういう刺しゅうを手掛けた?
初めての依頼は「Thomas Lélu for Do Nothing Congress™」のキャップ刺しゅうでした。その後も、藤井 風さんやリップスライム(RIP SLYME)さんの衣装へのポイント刺しゅう、榮倉奈々さんの「ニューナウ」のTシャツ刺しゅう、ヨシロットン(YOSHIROTTEN)さんの個展ノベルティー制作、雑誌「ギンザ(GINZA)」の撮影プロップなど、多方面から声をかけていただいています。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。
