ロンドン・ファッション・ウイークの見どころの1つは、才能ある若手ブランドたちのショーだ。数ある若手ブランドの中から、現地在住ジャーナリストのマスイ・ユウが本当に可能性を感じるブランドを紹介する。（この記事は「WWDJAPAN」2025年3月10日号からの抜粋です）
今ロンドンで一番面白い若手は絶対に「ヤク（YAKU）」だ！プレゼンテーションの会場に足を踏み入れると、そこにはRPGゲームの世界が広がる。イギリスのセントオールバンズ出身のヤク・ステイプルトン（Yaku Stapleton）はリーズ・ベケット大学から、セントラル・セントマーチンズ美術大学の修士課程へと進んだ。卒業コレクションは最優秀賞である「ロレアル・クリエーティブ・アワード」を受賞。2023年に自身のブランドをローンチしている。
ABOUT YAKU
ヤク・ステイプルトンは、地理学を専攻していた大学時代にグラフィティーTシャツの製作の面白さに目覚め、ファッションの道へ。セントラル・セントマーチンズ美術大学で修士号を取得したのち、2023年に自身の名を冠したブランドを立ち上げる。黒人文化と宇宙思想を掛け合わせた「アフロフューチャリズム」とファンタジックな要素で作る作品で、童心に返ったような発見や自己探究の純粋な喜びを提供することを目的としている
「ヤク」の作り出すRPGの世界はデビュー以来続く。25-26年秋冬は第五章。前回のロンドン・ファッション・ウイークデビューではいくつかのセクションに分かれていた世界が1つになっていた。その根底には“家族”の姿がある。父、母、姉、一人一人のキャラクターが、リサイクルやデッドストックを染色した素材を使ったアフロフューチャリズムを感じさせるコレクションを身にまとう。
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