カルチャーの中心地であるニューヨークは、コロナ後に世界とのつながりを回復し、再びクリエイターたちの活動が熱気を帯びている。ここでは日本からNYにわたり、さまざまな分野で活躍する3人に話を聞いた。物価をはじめとした生活コストの高騰、ビザ取得の厳格化、治安悪化などがいわれるNYでサバイブしながら、それでも現地での活動に意義を見いだしている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年3月10日号からの抜粋です)
PROFILE: (左)アートユニット「エキソニモ」 (右)戸塚憲太郎/「ナウヒア」ディレクター

「アートの中心地」で勝負する、
日本人の才能を耕したい
NYに、日本人アートディレクターの戸塚健太郎が運営するギャラリー「ナウヒア(NOWHERE)」がある。現地で活動する日本人アーティストに作品展示の場を提供するなど、そのバックアップに精力的だ。
既存のマンハッタン・ソーホーのギャラリーに加えて昨年、ブルックリン・ダンボに新たなギャラリー兼クリエイティブオフィスを構えた。選考を通過したNY在住の日本人アーティストに、1年限定でスペースを貸し出している。この2月には、1年の活動を終えた日本人アーティストデュオ「エキソニモ」による展示を行った。
「NYでギャラリーを借りると高額。若手アーティストは作品発表の場がない」という課題意識から、取り組みを始めた戸塚氏。ダンボのギャラリーでは、ギャラリーの提供、展覧会の制作費の負担、アーティストの名刺代わりになるようなカタログの作成まで支援。一方、ソーホーのギャラリーは、アートを展示・販売するコマーシャルギャラリーとしてすみ分けている。「ダンボで才能が芽吹いたアーティストの作品が、ソーホーのギャラリーで売れる」というのが理想的な循環だ。
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