従来、低価格を武器に市場を席巻してきたPBは、今やメーカーとの共同開発によって、品質や機能性を兼ね備えた「選ばれるブランド」へと進化を遂げている。メーカーがPB開発に踏み切る背景とは何か。その最前線を追う。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月24日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
コーセー
NBとPBが共存し、
「相乗効果を生み出すことが使命」
コーセーが小売りのPB事業に参入した第一歩は、2004年にセブン-イレブン・ジャパンと共同開発したスキンケアブランド「雪肌粋」だった。ドラッグストアのPBにおいては、09年にコスモス薬品と共同でスキンケアブランド「アンテリージェ EX(INTELLIGE EX)」を開発したのが始まりとなる。「09年のドラッグストア業界は、大規模出店や経営統合が進むとともに、改正薬事法の施行により一般用医薬品の販売方法が変わるなど、大きな転換期を迎えていた。競争が激化する中で、各社が差別化戦略を模索し、化粧品が注目されるようになった」。一方で、ドラッグストアにおける制度品は、ポイント還元による実質値引きが頻繁に行われており、「メーカーとしてもブランド価値の維持が重要な課題となっていた」と振り返る。その中で、コスモス薬品は高付加価値を求め、コーセーはブランドを守りたいという意向が合致。「ブランディングを強化し、お客さまに“確かな”製品を届ける」という方針のもと、「アンテリージェ EX」は誕生した。
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