ドラッグストアの市場規模は過去5年間も右肩上がりで成長し、2023年には9兆円を突破した(グラフ参照)。一方、日本百貨店協会によると、同年の百貨店の市場規模は5兆4211億円。ドラッグストアが日常的な消費ニーズを満たしていることがうかがえる。近年は食品を充実する傾向が高まり、来店頻度をより高める取り組みを推進する。そんな中で、ドラッグストア各社は独自性を打ち出すためプライベートブランド(以下、PB)を強化している。化粧品分野についても同様で、各社にその理由を問うと「差別化と利益率の高さ」と口をそろえる。(この記事は「WWDJAPAN」2025年2月24日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
PBは付加価値訴求へ
PBの変遷を見ると、1980年代はナショナルブランド(以下、NB)の廉価版という印象が強かった。そこから安価で大容量、品質重視、情緒価値があり品質も高い、など消費者の多様なニーズに応える高品質でバリエーション豊かな製品へと進化してきた。特に2000年代以降、PBは品質やデザインにおいてNBと遜色なく、むしろ独自性や付加価値を提供する製品が増加している。マツモトキヨシ(MATSUMOTOKIYOSHI 以下、マツキヨ)は顧客の購入者履歴やアンケートに基づく“意識スコア”を作成し、PBを開発する。意識スコアをポートフォリオにすることで、同じターゲット層を持つNBがあっても価値観が異なる製品を展開できるためカニバらない。NBの売り上げを落とさず、PBで新客をとれている。結果NBメーカーにPB開発を依頼すると、喜んで協力してもらえるという。ウエルシア(WELCIA)はコピーライターを起用するほど製品名にこだわり、思わず手に取りたくなるPBを展開。トモズ(TOMOD'S)はNBや他社のPBの隙間を狙った製品を手掛けることで存在価値を高めている。
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