
5、6年前までコンビニでコスメを購入するきっかけは、外出先に化粧ポーチを忘れてしまい化粧直しをするため、普段使っているコスメがなくなり買い足すにも店舗の営業時間が終了しているため、などでした。コンビニコスメ=レスキューコスメという認識が強かったと思います。ところが、ここ数年で風向きが大きく変わっています。印象に残っているところだとマッシュビューティーラボが2022年10月に立ち上げたオーガニック化粧品のプライベートブランド「ミティア オーガニック(MITEA ORGANIC)」があります。オーガニックスキンケア商品を全国のファミリーマート店舗で展開すると聞き、販売価格はどうなのか、需要はあるのか、など疑問がいっぱいでした。実際には販売価格は2000円以下、シートマスクも人気で、堅調な売り上げのようです。
余談ですが、「ミティア オーガニック」を店頭で販売する際に、ネックになったのが専用什器でした。組み立て式だったのですが規定通りに組み立てずに店頭に陳列するケースが大半だったことから、専用什器の改良を迅速に進めたそうです。普段化粧品に触れることが少ないオーナーや従業員も簡単に取り扱える仕様にするのもコンビニで展開するには重要な要素だと理解しました。
カラーコスメでは、韓国勢の強さを見せつけられています。23年3月にデビューした韓国コスメ「アンド バイ ロムアンド(&ND BY ROM&ND)」は象徴的なブランドに。「ロムアンド(ROM&ND)」の姉妹ブランド的な存在で、ローソンと共同開発したアイテムをそろえます。韓国で活躍するビューティクリエイター、ミン・セロム氏がこだわるパーソナルカラーを重視した色選びの「ロムアンド」の特性を生かしながら、リップティントやマスカラ、アイグリッターなどは1000円以下、ファンデーションでも1600円程度と気軽に購入できる価格帯のコスメが購入できるとして、多くの店舗が欠品となりました。
そして、直近ではセブン-イレブンが韓国コスメブランド「クリオ(CLIO)」の姉妹ブランド「トゥインクルポップ(TWINKLE POP)」を、「トゥインクルポップ バイ クリオ(TWINKLE POP BY CLIO)」の名称で5月25日に全国のセブン-イレブン約2万店舗で発売しました。韓国ブランドは、スキンケア「VT」などを扱っていましたが、カラーメイクは初めてとのこと。1月から埼玉県内の約100店舗でテスト販売をしたところ、販促を一切していないにもかかわらず想定を超える売り上げを確保したそう。さらに40代以上の男性が主要顧客層の中で、10〜20代の若年層女性の取り込みも成功しました。未来の顧客を獲得するには若年層をターゲットとしたアイテムはコンビニ側としても必須。ウィンウィンの関係にあるわけです。
食品を扱っているため、テスターの設置ができない点がコンビニでコスメを販売する上でネックになりますが、SNSを駆使して全色レビューなどを発信することでクリアできるといいます。若年層をターゲットにしたカラーコスメとの相性は良さそうです。これまでのレスキューコスメから、ウォンツ(欲しい)コスメ=コンビニコスメという公式が当てはまる日は遠くない気がしています。
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