ファッション
連載 エディターズレター:IN FASHION 第35回

「マーク ジェイコブス」のミーハーと哀愁、ここにあり。NYで見せた40周年のショーが良い 

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ブランド設立40周年を記念した「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」のショーがよかったです。SNSで1枚のルック写真が目に飛び込んできた瞬間に飛びつき写真をめくり、続いて「これに惹かれるのは何故だろう?」と探究心がかき立てられるのはそう言えば、久しぶりです。

バービーのような誇張されたシルエット

ショーの前に公式インスタグラムにあげた、ケーキの上で燃え上がる大量のろうそく(?)を、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)自身が吹き消そうとする(鞄をしっかりと宣伝しながら)ヤバめな動画を見たときから何かが引っかかっていましたが、2024年春夏のショーは見た瞬間に「これは突き抜けている」と引き込まれました。

バービー人形のような誇張したシルエットは「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」をほうふつとさせるし、「ロエベ(LOEWE)」が2023-24秋冬で発表した“ピクセル”シリーズ(バグったウエブの画像ガビガビ現象モチーフ)のようだと言えなくもないです。でもそれが何?と、ヤジは吹き飛ばしましょう。マークは川久保怜さんへの尊敬の念を口にしていますし、「ロエベ」の“ピクセル”シリーズについてはマーク自身が着てインスタグラムに投稿していましたから影響は実際受けているのかもしれません。けれどあの非現実的な誇張感は、彼の得意とするところ。1986年にカシヤマUSAの支援を受けて発表した初コレクションの頃から傾倒している「1960〜70年代のビンテージ風」を40年目を迎えた今期もまた取り入れているのと同じくらい、彼がこよなく愛している感覚の一部と言えるでしょう。

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