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地方都市こそポテンシャルを秘めている:見果てぬ街づくりVol.9

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 安田氏のもとには地方都市からの相談もたくさん舞い込む。風土や歴史に根ざした魅力的な場所が多いにもかかわらず、それが街づくりに生かされていない事例も少なくないという。(この記事はWWDジャパン2022年10月17日号からの抜粋です)

 地方で街おこしや商業開発の手伝いを何年もしてきた。東京生まれ・東京育ちの私から見ると、おいしい食材やユニークな名産品、人々の温かさや人情、美しい自然など東京にないものがたくさんあり、日本の地方の豊かさを感じる。だが、現実には郊外に大型ショッピングモールができて、中心市街地はシャッター街。若者は都会に行ってしまい、高齢化が進む。

 人々の考え方と行政の無理解が問題だと思う。

 何年か前に名古屋でリニアモーターカーのシンポジウムを聴講したら、財界の偉い人たちが「名古屋と東京が一体化するチャンスだ」と言っていた。私に言わせれば、東京と一体化したら名古屋の人は東京に吸い上げられてしまう。

 ある県のプロジェクトで私が「ローカルファースト」を提唱したら、担当者たちが落胆した。「われわれを田舎者扱いするのですか」と言われ、心底驚いた。ローカルは田舎という意味ではなく、その土地特有の個性だと説明しても分かってくれない。

 海が美しい九州の地方都市の市長は「ここを日本の地中海にしたい。地中海村を作りたい」とおっしゃるので、「日本で地中海村を名乗る場所はすでにある」と苦言を呈したこともある。

 受け継がれてきたローカルの強みに自信を持ち、突き詰めるべきだ。米国ポートランドが世界中から注目を集めて最も住みたい都市ナンバーワンになったのも、ローカルに徹した街づくりを住民と行政、そしてデベロッパーが地道に進めてきたからに他ならない。そう説明すると、「わが街をポートランドにしたい」と言う人が必ず出てくる。だから、そうじゃないのですよ!

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