ファッション

プラダ、21年上半期は黒字に コロナ禍前を上回ることはできず

 プラダ グループ(PRADA GROUP)の2021年1~6月期決算は、売上高が前年同期比60%増の15億100万ユーロ(約1936億円)、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は約3倍(同208.3%増)の4億7800万ユーロ(約616億円)、純損益は前年同期の1億8000万ユーロ(約232億円)の赤字から9700万ユーロ(約125億円)の黒字となった。

 19年同期比で見ると、売上高が4.4%減、EBITDAは同2.6%減、純利益は同37.4%減となっており、競合他社のようにコロナ禍前を上回ることはできなかったものの、業績は回復基調にあると言えるだろう。

 地域別での21年上半期の売上高は、ヨーロッパが現地通貨ベースで前年同期比19%増の2億6300万ユーロ(約339億円)、南北アメリカが2.5倍以上(同163%増)の2億3200万ユーロ(約299億円)、日本以外のアジア太平洋地域が同65%増の5億9900万ユーロ(約772億円)、日本が同25%増の1億2900万ユーロ(約166億円)だった。ECも3ケタの成長率となるなど好調で、小売りの売上高全体の7%を占めている。

 なお、19年同期比での売上高は、店舗の36%が休業していたヨーロッパが現地通貨ベースで29%減、緊急事態宣言が続く日本では同24%減となった。一方で、中国や韓国市場が好調なアジア太平洋地域は同35%増、米国市場が急激に回復した南北アメリカは同53%増だった。

 カテゴリー別で見ると、21年上半期はフットウエアが現地通貨ベースで前年同期比77%増の2億2400万ユーロ(約288億円)、ウエアが同71%増の3億3400万ユーロ(約430億円)と非常に好調だったほか、レザーグッズも51%増の7億300万ユーロ(約906億円)だった。ブランド別では、主力の「プラダ」が同64%増の11億ユーロ(約1419億円)、「ミュウミュウ(MIU MIU)」は同43%増の1億6600万ユーロ(約214億円)だった。

 パトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)最高経営責任者は、「ブランドを大切にし、顧客とのつながりを強化することで、全地域で堅調な業績を上げられた。不透明な情勢が続く中、粗利や利益率を改善できたことをうれしく思うし、下半期もこの勢いが続くものと考えている。当社の傘下ブランドには大きな可能性があり、中期的にそれをさらに開発していく」と語った。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2024-25年秋冬パリコレ特集 デザイナーたちからの提案「何気ない日常を特別に」

3月18日発売号の「WWDJAPAN」は、2024-25年秋冬パリコレクション特集です。2月末から3月にかけて約100ブランドが参加して開催されたパリコレを現地取材し、その中で捉えた次なる時代のムード、デザイナーの視点をまとめました。ファッションデザイナーたちから届いた大きなメッセージは「何気ない日常を特別に」。戦争、物価高騰、SNS疲れと私たちを取り巻くストレスはたくさんありますが、こんな時代だ…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。