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ティファニーvsコストコの“ティファニー”リング訴訟 8年越しの和解へ

 コストコ(COSTCO WHOLESALE CORPORATION)が販売する“ティファニー(Tiffany)”という名称の指輪を巡る、ティファニー(TIFFANY & CO.)社とコストコが8年にわたって争っていた裁判が和解で終結した。ロイターをはじめとする各種メディアが報じた。

 ロイター社によると、コストコの代理人弁護士が「紛争を友好的に解決した」とコメントしており、ティファニー社も同様のコメントを出しているという。和解条項は非開示。

 問題となったコストコの指輪は、形状が“ティファニー・セッティング”という仕様で、店頭では「ティファニー」と記載した看板を付けて、ブランド物の高級時計の隣に配置して販売していた。これを受けてティファニー社は同社が商標登録している「ティファニー」という名称を不当に使用し、消費者の混同を招くとして商標権侵害などで2013年に提訴。コストコは、ティファニーの商標権を侵害する意図はなかったと主張したが、一審のニューヨーク州連邦裁判所は17年8月、ティファニー社の主張を認め、コストコに1940万ドル(約21億1400万円)を支払うよう命じ、「ティファニー」という名称を単体で使用したり、指輪やセッティングのスタイルを指して用いたりすることを禁じた。

 一転して二審では、ティファニー社が求めた略式判決を認めた一審の判断には誤りがあり、コストコ側に陪審員への十分な説明の機会が与えられなかったというコストコの主張を認め、20年8月に一審判決を破棄し、審理の差し戻しを命じた。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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