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正解と、それぞれの正解に辿り着くための一例の違い エディターズレター(2021年6月7日配信分)

※この記事は2021年06月07日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

正解と、それぞれの正解に辿り着くための一例の違い

 このお手紙ではたびたび「みんな、(良くも悪くも)真面目」とお話ししています。そう痛感するのは、コミュニケーションしている相手が「正解」を切に望んでいることがヒシヒシと伝わる時です。

 例えば、毎シーズン何回か登壇させていただく「トレンドセミナー」では、「一体、何を作ったら売れるのか?」という「正解」を求められがちです。正直、まぁまぁ困っています(笑)。例えば今なら「ゴツめのブーツと、合わせやすいミニ丈のスカートは、可能性が高そうです」とお返事できると思いますが、それは絶対的な「正解」ではないでしょう。ブランドは千差万別ですからね。

 そこで最近の私は、「世の中がこうなってきて、そんな社会を生きる私たちの中にはこんなことを考えている人がいます。それに対して、例えばこのブランドはこう考え、こんな商品を、こう伝えました。こんな流れは、もっと顕在化するかもしれません」というカンジでお話します。「正解を教える」のではなく、「それぞれの正解にたどり着くための、考え方の一例をシェアする」という感じでしょうか?すると、明らかに「ん~、もう一声」というムードを感じる時があります(笑)。「で、何を作ったらいいの?」という「正解」を求められているのです。でも上述の通り、絶対的な「正解」は「見つからない」「教えられない」のではなく、「ない」のだと思います。

 「正解」を手に入れ、キチンと形作りたいと願う人の気持ち、理解しています。今はなおさら、確実に「正解」を出し続けたいですよね?そんな人にお会いすると「真面目」とか「責任感、強いな」って思います。だからこそ「不正解」や「失敗」が怖いんでしょうね。そんな方を目の当たりにすると、「正解かもしれないモノにたどり着くための考え方」を伝えている私たちのメディアは、物足りないのだろうか?そんなことも考えます。

 と、今週は結論もなく、概念的なお手紙からスタートしてしまいました。毎週月曜は、なるべくライトなお手紙を、と思っているのですけれどね(笑)。大変失礼しました。今週も張り切って参りましょう~(と、強引にポジティブに締め括らせていただきます)。

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