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楽しんでいる人さえ、「ファッション業界はコワい」 エディターズレター(2021年6月3日配信分)

※この記事は2021年06月03日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

楽しんでいる人さえ、「ファッション業界はコワい」

 「画一的な美しさ」からの脱却を応援すべく、クリエイティブ・アクティビストの辻愛沙子さん率いるブランド&企画クリエイター集団のarcaとの特集の制作に励んでいます。6月14日発売号の巻頭特集です!!スレンダーな八頭身の美しさを否定するつもりはありませんが、「美しさ」は個々人が自由に定義して良いもの。そして、その「美しさ」は他人に押し付けるべきではないもの。そんな価値観が広がる中、外見を彩る商品を生み出し、思いも含めて発信するファッション&ビューティ企業は、何をどう意識すべきなのか?そんなコトを辻さん、そして読者の皆さんと一緒に考えられれば、と思っています。

 特集では、辻さんがいろんな方と対談します。今日のお相手は、日本ロリータ協会会長でもあるモデル&看護師(!!)の青木美沙子さん。対談を行った弊社にも、堂々のロリータファッションで登場です!目立つ~!

 勝手にシンパシーを感じてしまった私は、どうしても対談に加わりたくなってしまい(だって、楽しそうなんだもん!!)、こらえきれず、青木さんに質問しちゃいました。「ファッション業界の、ロリータ・ファッションへの反応は?」です。すると青木さんは、「コワいです(笑)。ファッション業界は常に、品定めしているカンジがします」と言います。

 やっぱり、そうなのですね……。同じファッション業界にいるのに、です。

 辻さんと一緒に作る特集の前週、来週月曜日の7日発売号はeスポーツ特集です。ファッション&ビューティ業界も注目すべきeスポーツプレイヤーに迫っていますが、人気ストリーマー(YouTubeやTwitchでゲームをライブ配信するプレイヤーのことです)のはつめサンは、「『ゲーマーは、陰キャのオタクだけじゃないんだよ』と伝えても、一番信じてもらえなさそうなのがファッション業界の人たち(笑)」と話したそうです。特集を担当した記者によるインタビュー記事を読んだのは、青木さんへの取材の前日でした。はつめサン、そして青木さんの、“ファッションは遠い”“ファッションはコワい””ファッションは閉鎖的”という思いは、さすがに私「いよいよ、重く受け止めなくっちゃならないな」と思ったのです。

 このお手紙でも何度かお話してきましたが、私たち、いよいよヤバいです。マジで。同じようにファッションを楽しんでいる人にさえ「コワい」と思われてしまったら、私たちのことは一体、誰が愛してくれるのでしょう?

 思いはめぐり、「コレって、最近やたらとバッシングがキツいように思える“アパレルいじめ”の原因では?」とさえ考えるようになりました。一般的ないじめについて、私は「いじめられる側にも原因はある」なんて思いません。そんなの、いじめる側の勝手な解釈です。でも、私たちの場合は……!?

SOCIAL & INFLUENTIAL:社会情勢によって変化するファッション&ビューティ業界を見つめます。インクルージョン(包摂性)&ダイバーシティー(多様性)な時代のファッション&ビューティから、社会に届けたい業界人のオピニオンまで。ジャーナリズムを重んじる「WWDJAPAN Digital」ならではのレターです。

エディターズレターとは?
「WWDJAPAN」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在8種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

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「WWDJAPAN」10月25日号は、“スピリチュアル消費”特集です。ここ1〜2年、財布の開運プロモーションや星座と連動したコスメやジュエリーの打ち出しがますます目立つようになっています。それらに取り組むファッション&ビューティ企業と、その背景にある生活者の心理を取材しました。 スピリチュアルと聞くとやや怪しさがありますが、取材を通して見えてきたのは「心に寄り添ってほしい」という女性たちの普遍的な…

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