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日本発ロリータランジェリーやサニタリーショーツに注目が集まる 「パリ国際ランジェリー展」

 世界中の下着ブランドが出展する2020年「パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」が1月18〜20日、フランス・パリのポルト・ド・ベルサイユ見本市会場で開催された。”サステナブル”と”ボディーポジティブ”のメッセージが明確に示された同展では、会場設営に使用する資材にも配慮がされ、エシカルブランドを集めたエリア「オーガニック(O.R.G.A.N.I.C.)」を新設。また、起用するショーモデルの体型や年齢に多様性を持たせるなどの動きが見られた。

 2019年12月から続く地下鉄のストライキが影響して今回は来場者数減となったものの、毎日行われる3つのファッションショーやトレンドセミナー、トークセッションは全て予定通り催され、各スタンドでは活発な商談が行われた。来場者の内訳は34%がフランス国内、66%がフランス国外からだった、国別入場者数のトップ10はヨーロッパの国々とアメリカだ。今までランクインしていた日本はトップ10外になった。日本からの出展は「クコネ(KUKONE)」「ケープラスワンパーセント(K+1%)」「美人工房(BIJINKOBO)」「ランジェリーク(LINGERIQUE)」「ルイグラマラス(RUI GLAMOROUS)」の5ブランド。美成産業による「クコネ」は、日本の“カワイイ”文化をロリータテイストのランジェリーで表現するブランドとして同展でデビューした。ニッチなカテゴリーではあるが、受注もありヨーロッパにおける確かな需要を確信したようだ。また、114(イイヨ)が展開する「ケープラスワンパーセント(K+1%)」は、スタートアップのブランドを集積した新エリア「ミレニアルズ(MILLENIALS)」に出展し、サニタリーショーツとコーディネートできるブラジャーを提案し、独自のコンセプトが注目を集めていた。

キーワードは
“インクルーシブ”
“エンパワーメント”
“ボディーポジティブ”

 主催するユーロヴェット(EUROVET)は同展で、インクルーシブかつサステイナブルなブランド支援に注力することをあらためて宣言した。展示会場の設営・運営においても、使用するカーペットを2万平方メートル削減(約5トンの原油を節約)し、休憩エリアでは中古の家具を設置したり、メインエリアにはリサイクル可能な木材を使用、印刷物は再生紙を用いてパリから約40kmの場所で印刷など、あらゆる施策が行われた。同展のポスターは、年齢や体形、肌の色などが異なる女性のビジュアルで、ダイバーシティーとインクルーシブを推奨するメッセージが示された。また、全てのファッションショーで多様体形や年齢のモデルが登場。2021-22年秋冬トレンドセミナーでもキーワードとして“インクルーシブ”“エンパワーメント”“ボディーポジティブ”が挙げられ、今後のランジェリー業界におけるトレンドになることを感じさせた。

香港で開催されていた
素材展を深センへ移転

 また、ユーロヴェットは同展と同時開催される下着と水着の素材展「アンテルフィリエール パリ(INTERFILIERE PARIS)」も主催しており、中国最大級のニットウエア展示会である「中国ニット・イノベーション・デザインウイーク(CHINA KNITTING INNOVATION DESIGN WEEK)」の主催者とパートナーシップを組んだと発表した。それに伴い、これまで香港で開催されていた「アンテルフィリエール 香港」を深センへ移して4月9〜11日に開催する予定だ。下着と水着の2021年春夏コレクションを披露する「ユニーク バイ モードシティ(UNIQUE BY MODECITY)」と「アンテルフィリエール パリ」は、6月27〜29日にポルト・ド・ベルサイユ見本市会場で開催される。それとは別にメンズファッション・ウイークやオートクチュール・コレクションなどに来場するファッション関係者に向けた新たなプレゼンテーションの場「スウィムクチュール(SWIM COUTURE)」が、6月27日にシャイヨ-宮で催される。美しさの基準や消費スタイルが多様化する中、見本市にさらなる発信力と存在意義が求められる。

川原好恵:ビブレで販売促進、広報、店舗開発などを経て現在フリーランスのエディター・ライター。ランジェリー分野では、海外のランジェリー市場について15年以上定期的に取材を行っており、最新情報をファッション誌や専門誌などに寄稿。ビューティ&ヘルス分野ではアロマテラピーなどの自然療法やネイルファッションに関する実用書をライターとして数多く担当。日本メディカルハーブ協会認定メディカルハーブコーディネーター、日本アロマ環境協会認定アロマテラピーアドバイザー。文化服装学院ファッションマーチャンダイジング科出身