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最も美しいバストラインは「無重力状態」 ワコールが研究結果を発表

 ワコールは1月15日、東京本社で“重力からバストを守ること”と題したカンファレンスを開催した。ワコール人間科学研究所(以下、ワコール人科研)では長年にわたり“体の動きとバスト”に関する研究を続けており、バストの皮膚と重力に注目。日本初の無重力実験による研究結果を坂本晶子主任研究員が発表した。また、マンモグラフィーやMRIなどによる乳腺画像診断が専門の国際医療福祉大学の奥田逸子准教授が、重力からバストを守る重要性について解説した。

 ワコール人科研は「ワコール(WACOAL)」のモノ作りを科学の視点から研究する機関で、1964年の設立以来、4~69歳の女性の体を年間1000人以上計測しており、のべ4万5000人に及ぶデータを持っている。同じ女性を30年以上にわたり計測し、年齢とともに変化する体形を記録したデータもあり、「ゆりかごからゆり椅子まで全ての女性」に合う商品の開発に役立てている。

 坂本研究員は、「バストの加齢には一定の法則があることを発見した。原因としてホルモンバランスの変化、クーパー靭帯を弱める外部的刺激、皮膚の弾力性・柔軟性低下が挙げられる。そこで、外部的刺激によるバストの動きを調査研究した」と話す。日常生活における立位、睡眠時、ランニング時のバストの動きを観察した結果、日常の動作の中でもバストはあらゆる方向に動き、皮膚が伸びたり縮んだりする状態にあるという。重力によってバストが揺れたり流れたりするたびに皮膚が流れることからバストの“皮膚”と“重力”の関係に着目し、無重力状態でのバストの計測を行った。

 坂本研究員は、「飛行機実験で無重力状態にしたところ、バストの底面が上り、ボリュームが上下左右均一になり、バスト上部の皮膚が伸びてない状態の、実現可能な最も美しい丸みのあるバストラインになった。バストを無重力状態に保つことで皮膚へのダメージが減る。だから、生活のシーンによってダメージに対応できるブラジャーを選んで着けることが大切だ」と強調した。

 加齢による体形変化のスピードは人によっても異なり、体に合った下着を着用している女性はそうでない女性と比べると体形変化が少ない。さらに、就寝時、スポーツ時などシーン別にブラジャーを使い分けることで、美しいバストラインをキープできるという結論に至った。

 20年以上バストを研究をする奥田准教授は、「乳房は、夢と憧れ、ロマンを持つ臓器。脂肪と乳腺、大胸筋から構成されており、年齢とともに乳腺組織が委縮し、それを支えるクーパー靭帯も老化する」と構造を解説。CTスキャンで上向きのバスト、MRIで下向きのバストを計測したところ、上向きだと横に、下向きだと下にバストが流れ、重力が影響していることが分かる。「重力の影響でバストの老化は促進される。バストの下垂を防ぐには、クーパー靭帯をいたわり、皮膚をできるだけ伸長させず、重力負荷を軽減する必要がある。だから、自分に合うブラジャーの着用が重要だ」と強調する。美しいバストラインを作るために、背中の肉を胸に集めてカップに収めるというフィッティングを推奨しているブランドもある。「それはバストについての都市伝説。背中の肉は胸に回せない。年齢ごとにバストは変化するので、それに応じて合うブラジャーを着ければ、できるだけ長く美しいバストラインをキープできる」と述べた。

 坂本研究員は、「ワコールでは20代、40代、60代など年齢別にワイヤーを開発している。年齢別にブラジャーを選ぶのは大切。ブラジャーはアンダーとカップサイズ表記がある方が好ましいが、ノンワイヤーやブラ付きタンクトップなどは動きが少ないときは着用しても問題ない。生活のシーンに合わせてブラジャー選びをしてほしい」と語った。