ファッション

SNSフォロワー50万超えの人気ゲーマーはつめがファッション界進出 「ゲーマーは陰キャのオタクだけじゃない」

 ファッション業界同様、ゲーム界にもSNSを中心に強い発信・影響力を持つインフルエンサーが複数いる。代表格は22歳のゲーマー、はつめだ。彼女はプロゲーマーとして活動後、現在はフリーランスの“ストリーマー”として活動しており、SNSの総フォロワーは50万を超える。“ストリーマー”とはユーチューブ(YouTube)やツイッチ(TWITCH)でゲームをライブ配信するプレイヤーで、スポンサー料とオンライン上の投げ銭が主な収入源だ。はつめは18〜24歳の大学生から特に人気で、3月には伊藤忠ファッションシステムが保有するアメリカ発のスポーツカジュアルブランド「ケイパ(KAEPA)」のブランドアンバサダーに就任。コラボレーションしたアイテムはクラウドファンディングで総額328万円を調達し(目標は50万円)、“ゲーム×ファッション”の成功事例を打ち立てた。ゲーム界を代表するキーマンの人物像を探るとともに、ファッション界についての印象も聞いた。

ゲーム専業で生活できるのは一握り

WWD:プロゲーマーになったきっかけは?
はつめ:格闘ゲーム「ストリートファイター(STREET FIGHTER)」のプロになりたいと思ったのが高校3年生の時でした。当時、秋葉原のeスポーツ施設「eスポーツ スクエア(e-sports SQUARE)」でアルバイト中にこのゲームの大会を見て、「こんなにカッコいいリーグがあるんだ」と感動し、挑戦することにしたんです。

WWD:プロゲーマーの定義は?
はつめ:プロライセンスの制度はありますが、決まった定義は特にありません。同制度は、必須ではなくて、景品表示法の上限額を超えた賞金をプレイヤーに渡せる仕組みです。私たちは、スポンサーが付いているゲーミングチームに所属したらプロゲーマーという認識です。

WWD:プロ時代の優勝経験は?
はつめ:ないんですよ。人気ゲームなので長くプレイしている30〜40代のベテラン選手が多く、20代の若手が優勝できるチャンスはなかなか巡ってきません。ベテラン選手と対戦した時は、「俺は、お前が産まれた時には波動拳を撃っていたからな(笑)」と煽られました。

WWD:プロゲーマーはどう生計を立てている?
はつめ:ゲーム専業で暮らせる人は少ないんじゃないかな。ただ最近はゲームのプレイ動画をユーチューブ(YOUTUBE)にアップする人が増え、広告収入やファンによるライブ配信中の投げ銭など、全体的な収入は少しだけ上がっていると思います。でも、FPS(主観視点のシューティングゲーム)の「ヴァロラント(VALORANT)」や「エーペックスレジェンズ(APEX LEGENDS)」などのプロゲーマーには月収2万、3万円のプレイヤーもいるので、実家暮らしだったり仕送りをもらっていたりの学生が多いんです。だから「在学中だけプロ」というケースも少なくありません。私もプロ1年目はアルバイトをしていましたが、2年目からプロゲーミングチーム「父ノ背中」に入り、イベント活動が増えて、収入も安定して生活できるようになりました。

WWD:プロ選手からストリーマーに転向したのはなぜ?
はつめ:1つのゲームだけではなく、自分がやりたいゲームを自由にプレイしたかったからです。

コラボアパレルの大反響に驚き

WWD:アパレルブランド「ケイパ(KAEPA)」とコラボした経緯は?
はつめ:「ケイパ」がインフルエンサーにフォーカスした新ラインを立ち上げるにあたり、同ブランドを扱う伊藤忠商事の友人の推薦で実現したのだと後から知りました。個人プレイヤーがアパレルとコラボしたのは、日本で初めてだと思います。

WWD:実際にアイテムを製作した感想は?
はつめ:正直、こんなに本格的に関わるなんて思っていなかったんです。サンプルのフィッティングと修正を何度も繰り返し、半年間を費やして作ったのでやりがいはありましたね。アイテムはゲーマーをターゲットに、“快適でラフな服装”をテーマに製作していて、2シーズン目の企画も進めています。

WWD:クラウドファンディングでは目標金額を大きく上回る結果だったが、予想していた?
はつめ:クラウドファンディングは受注数の調査のつもりでした。こんなに集まるとは思いもしませんでした。支援金額でコアなファンの数が露骨にわかるから結構ビビっていたんですけど、自信が付きましたね。

「ゲーム不遇の時代は終わった」

WWD:ファッションは元々好きだった?
はつめ:好きでした。普段は黒い洋服を中心に、韓国系やストリート系など、ジャンルは色々です。ゲーム業界に携わることを決心した頃から、「人前に出るんだから、服装にも気を使おう」と意識していました。

WWD:好きなアパレルブランドは?
はつめ:「プラダ(PRADA)」です。最近はローファーを購入して、少しずつですが買い足しています。「エフアールツー(#FR2)」と「ブラックアイパッチ(BLACKEYEPATCH)」の服も買いましたよ。

WWD:ファッション業界のイメージは?
はつめ:「ゲーマーは、陰キャのオタクだけじゃないんだよ」と伝えても、一番信じてもらえなさそうなのがファッション業界の人たち(笑)。少し前まではゲーム業界とは真逆で、交わることはないんだろうと感じていました。

WWD:近年、ゲーム業界に対する周りの反応は変わってきた?
はつめ:業界全体が明るくなってきたのは実感します。キャラクター姿で動画配信するVチューバーが流行してから、ゲームをプレイしない人が見てくれるようになりました。私はゲーム不遇の時代を生きてきたので、今の状況は楽しいしうれしいです。

WWD:今後の目標は?
はつめ:ゲーマーとしてだけではなく、人として成長していきたいです。洋服は大好きだし、今後もアパレル業界と積極的にコラボレーションしていきたいです!

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