ファッション

「ダーバン」「アクアスキュータム」 オッジによる新体制でMD再構築

 小泉グループのオッジ・インターナショナル(大阪、辰己貴義社長)は、経営破綻したレナウンから8月に事業譲受した「ダーバン(D’URBAN)」と「アクアスキュータム(AQUASCUTUM)」の再構築に乗り出す。手薄だったカットソーなどの軽衣料、バッグなどの服飾雑貨を強化。数%ほどしかないEC(ネット通販)化率は3年内に10%に高める。

 「ブランドバリューが高いのに生かしきれていなかった。打つべき手を打てば輝きは取り戻せる」。オッジの辰己社長は両ブランドをそんな風に見立てる。「ダーバン」はメンズスーツで一時代を築き、「アクアスキュータム」は高級コートとして世界的な知名度を誇る。にもかからずレナウン時代は変革が後手に回り、顧客が高齢化してしまった。本来のエイジレスの持ち味を訴求し、新規顧客との接点を増やすことを基本戦略に掲げる。

 そのために商品の幅を広げる。現在もトータルブランドではあるものの、「ダーバン」はビジネススーツ、「アクアスキュータム」はコートなど重衣料に偏っていた。カットソーなどのカジュアルウエア、バッグ、革小物といった比較的手に取りやすい価格のエントリーアイテムを拡充する。特にオッジはカットソーを得意にしており、国内外に有力な生産ネットワークを持つのが強みだ。「両ブランドともライフスタイル分野の伸び代が大きい。感染収束が見通せない中、来年の春夏でいきなり客数を増やすのは難しい。軽衣料や雑貨の充実によって、まずは客単価を上げていきたい」(辰己社長)。

 オッジはこれまで自社ECを持っていなかったが、小泉グループが「レナウン」の商標権を取得したのを受けてレナウンの自社EC「Rオンライン」も引き継いだ。オッジが展開する「カステルバジャック」、アツギがレナウン子会社のレナウンインクスから取得した下着・靴下もRオンラインで扱う。「ダーバン」「アクアスキュータム」に関しては3年後のEC化率10%を目指して、デジタルマーケティングや在庫連携などの精度を高める。

 オッジはレナウンから「ダーバン(「スタジオ・バイ・ダーバン」を含む)」と「アクアスキュータム」を10億円で取得した。百貨店などで展開する「ダーバン」の136店舗のうち77店舗を、「アクアスキュータム」120店舗のうち82店舗をそれぞれ継承した。また2ブランドに関わるレナウン社員60人弱が現在までに入社している。大幅な増員を受けて、オッジは東京オフィスも移転・増床。物流や情報システムはレナウンのものに統合した。

 2ブランドが加わったことでオッジの2022年2月期の売上高は約3倍の80億円に跳ね上がる見通しだ。2ブランドの売上高は小売ベースで計90億円を計画する。