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ユナイテッドアローズが新中期経営計画を発表 低価格に裾野を広げネットビジネス拡大

 ユナイテッドアローズ(以下、UA)はコロナ禍による市場環境の変化を受けて、再検討していた2023年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。基本方針を「危機に打ち勝ち、稼ぐ力を取り戻す」と定め、「収益構造を抜本的に見直す」と「稼ぐ力を取り戻す」の2つを掲げる。10%程度の退店と人員削減などを行い、成長拡大へのV字回復を目指す。

 「収益構造を抜本的に見直す」については、中期最終年度までに連結店舗数(11月5日現在363店舗)の10%程度の退店と、人員(3月31日現在4182人)の10%程度の削減を見込む。業務の削減、組織のくくり直しなどにより生産性を高め、今春から進めているリモートワークを継続。最終的に現在数カ所に分散している本部オフィスを主要2拠点に集約し、固定費の抑制につなげる。また、業務を効率化した上で、人材をネット通販やカスタマーサポートなどの今後の重要分野に戦略的に配置。コロナ禍による売上減に対して、人件費を抑制しきれなかったことも今期の赤字要因の一つであるため、人件費の下方硬直性を是正し、業績との連動性の高い報酬制度へ変更する。

 在庫効率の向上による売上総利益率の改善も図る。在庫改善プロジェクトを立ち上げ、あるべき在庫の持ち方に向けた討議を行っているといい、セール販売や在庫評価損の抑制を図り、売上総利益率を改善させる考え。

 「稼ぐ力を取り戻す」については、主力事業の収益改善、新しい時代に即した事業開発、OMO(オンラインとオフラインの融合)を推進する。まず、今秋冬から進めているシーズンMDの変更とシーズンレス商品投入により、気候変動への対応力を高める。合わせてニューノーマルに向けた商品開発を行い、カジュアル分野を強化。ビジネス需要の変化を捉え、ワンマイルウエアの開発、アウトドアやヨガなどのウェルネス製品を拡充する。また、「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS)」を低価格製品まで広げ、若年層をターゲットにネット通販で展開する。さらに、中期後半にかけては、ネット通販を軸にした新規事業を開発。「グリーン レーベル リラクシング(GREEN LABEL RELAXING)」と「コーエン(COEN)」の中間の価格帯に設定し、新しい客層の取り込みを狙う。

 販売・宣伝面では、実店舗で培った客との信頼関係をベースに取り組む。販売スタッフを活用し、ネットを通じた商品説明動画の配信、オンライン接客などの非接触型の接客手法の確立を目指す。オンラインでの訴求力を高めることで、セール構成比が高くなる傾向のネット通販においても定価販売を強化する。

 懸案である自社サイトのリニューアルは、22年3月期中での刷新を目指すとした。

 UAの20年4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比28.6%減の532億円、営業損益が68億円の赤字(前年同期は39億円の黒字)、経常損益が57億円の赤字(同38億円の赤字)、純損益が50億円の赤字(同19億円の黒字)だった。累計期間では減収減益となるも、人件費や賃借料などの経費抑制などで減収・減益幅が縮小した。

 21年3月期通期連結業績は、売上高が18.5%減の1283億円、営業損益が65億円の赤字、経常損益が53億円の赤字、純損益が60億円の赤字を見込む。

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