ファッション

支えるデジタルから、リアルに冒険のエールを!!︎ エディターズレター(2020年7月13日配信分)

※この記事は2020年7月13日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

支えるデジタルから、リアルに冒険のエールを!!︎

 チーム「ONE WWD JAPAN」の中でデジタルとビューティの特攻隊長を務めることになって、ワクワクもしていますが、ドキドキもしています。ドキドキの理由は、デジタルとビューティって、収益においては「ONE WWD JAPAN」の生命線だから。ファッションブランドのデジタルにおける広告出稿やタイアップと、ビューティブランドのデジタル&プリントにおけるそれの合算は、おそらく、従来の言葉で表現するところの広告売り上げのほとんどを占めそうです。無論、クライアントとのお仕事をもたらしてくれるのは、ビジネスプランニング部という別の部隊ですが、特攻隊長は「私たちは、その仕事をキチンとこなせるのだろうか?」とは少なからず思っており、ぶっちゃければプレッシャーです。余談ですが、「楽しそうね」とおっしゃっていただく、クライアントとのLIVE配信のMCは、その通りと~っても楽しいけれど、終わるとドッと疲れるんですよ(笑)。自分でも、「プレッシャーを感じていたんだなぁ」と気づかされます。

 と、INFASパブリケーションズという会社におけるマネタイズの責任が重くなるにつれて、自分の中で、ちょっとした感情の変化がありました。隣にいる「WWDジャパン」編集部に対する感情です。ぶっちゃけた話をすれば、上述の状況がハッキリする中、特に課せられた広告予算を比較しちゃうと、これまでは心中複雑でした。「予算のケタが違う(汗)」とか、「僕らは新しいことに、こんなに挑戦しているのに」とか、「自分まで晒して頑張ってるよ!!」なんて感情が芽生え、渦巻いていたのです。それがある時、隣にいるデジタルマーケティング部の部長が3年前に教えてくれた、そして、当時はそれを目指してひたすら頑張っていたフレーズを思い出し、一気に解消したんです。

 「『WWD JAPAN.com』のPVが1000万を超えると、多少冒険して失敗しても、パフォーマンスは激減しづらい。だから頑張りましょう!!」という一節です。確か、こんなカンジでした(笑)。

 3年くらい前の話なので、あらためて隣の部長に「どうして1000万PVだったの?」と、今、聞いてみました(笑)。いろ~んな理由があるそうなので割愛しますが、「母集団が大きくなると、1つの事象に左右されづらくなる」という統計学的事実から「ロイヤルユーザーが一定数確保できたことを意味するので、多少何かあっても戻ってくる」というエンゲージメント、さらには「検索エンジンが、信頼性のあるサイトと認識することによる検索時の上位表示」という都市伝説までイロイロあるそうです。まぁ、それは置いておいて、言いたかったのは、「それは、事実だった」ということ。PVが1000万を超えて以降、正直今だって「コンテンツが足りない!!」みたいな状況は時々訪れますが、確かに大スランプという事態はほとんど無くなりました。

 で、「今度はコレを、会社に当てはめてみよう」と思っています。「私たちが収益の面で頑張るから、プリントメディアは冒険してよ!!」と思っているのです。

 幸い、弊社の紙媒体は比較的順調ですが、無論、ウェブのような急成長は望めません。となると、紙媒体単体で考えちゃうと、冒険って、勇気が必要ですよね。特に取捨選択には、かなりの覚悟が問われます。それは、「自分が、紙媒体のトップだったら?」と想像すると、明らかです。向編集長、お疲れさまです(笑)!!でも会社全体で考えたら、「ウェブが下支えしてくれるから」と思ってもらえないかしら?仮に紙媒体がリニューアルして多少コケても、骨太なジャーナリズムというアイデンティティーさえ発信し続けてくれたら、収益においてはウェブが支えられると思うんです。デジタルマーケティング部の部長の言葉をもじれば、「『WWD JAPAN.com』が順調なら、『WWDジャパン』が多少冒険して失敗しても、「ONE WWD JAPAN』は傾かない。だから頑張りましょう!!」、そんな風に考えています。

 同じことは、小売りにも言えますよね。急成長しているデジタルの皆さん、ここまでの道程を考えると、かつての私のように心中穏やかじゃない時もあろうかと思います。それは、すっごく分かります(笑)。でも一緒に、「デジタルが支えるから」って、リアルにエールを送りませんか?コレも、組織内OMOかな?なんて思います。

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