ファッション

ファーフェッチ、1〜3月期の流通総額はおよそ45%増

 ラグジュアリーECサイト「ファーフェッチ(FARFETCH)」のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)創業者兼最高経営責任者(CEO)は4月16日付の株主に宛てた手紙の中で、「弊社社員の大半は自宅で問題なく勤務を続けている。この状況下でも弊社の運営やサプライチェーンに実質的な影響は今日までなく、安全に顧客にサービスの提供を続け、ファッション業界に貢献している」と述べ、「新型コロナウイルス感染拡大で不安定な情勢の中、ブランドやセレクトショップに安定した販売の場を提供している」と語った。

 ファーフェッチの1〜3月期の流通取引総額は前年同期比で43〜46%増える見通しで、調整後のEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は2100〜2500万ドル(約22〜26億円)の損失となる予定だ。なお、同社は2020年12月期の業績予想を保留としたが、21年12月期の調整後EBITDAの黒字化を目指すとしている。

 同社は19年に「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などを擁するニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP)を買収したことで、多少の在庫を持つようになったが、自社のECプラットフォームでは買い手と売り手を直接つなぐ取引が事業の中心となっている。ファッション業界全体が店舗休業の影響から在庫の問題に直面し、在庫を一掃するために大幅な値下げの必要に迫られる中、同社は比較的優位な立場にあると言えるだろう。

 ネヴェスCEOは、「創業は08年10月だったが、その2週間後にはリーマン・ブラザーズ(LEHMAN BROTHERS)が破綻し世界的金融不況を引き起こした。あのときの非常に厳しい経済状況の中で私たちの役割は、ただラグジュアリーファッションを世界に流通させる場となっただけでなく、ファッションを提供する者と世界中の顧客をつなぐことを通じて彼らが08〜09年の厳しい時期を乗り切るための一助となったと自負している。今回の新型コロナウイルス感染拡大の危機においても同様の貢献ができるだろう」と語った。

 ファーフェッチで販売を行う1200の事業者のうち200が稼働できていない状態だというが、同社のイギリス、イタリア、米国および中国での物流業務は継続しているという。ネヴェスCEOは、「生産が停止し在庫が不足しているため、2020-21年秋冬コレクションのセレクトショップなどへの納品が遅れることが予想される。ただ、ブランド各社は卸売りより利益率の高い弊社のようなECサイトでの販売を優先するだろう」と述べた。同氏はまた、「新型コロナ拡大の影響によりオンライン販売への移行は加速するだろう。ただ、消費者心理の落ち込みを埋め合わせられるのがいつになるかは定かではないが」と語った。

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