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イタリアの全産業停止、商社マンが明かすテキスタイル工場の状況

 イタリアのジュゼッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、食品や医療品などの生活必需品以外の全産業の生産活動を停止すると発表した。これまで、生産活動への抑制はなかったが、これにより工場は完全にシャットダウンすることになる。

 イタリアのテキスタイルメーカー7社の生地の輸入・販売を行う八木通商の山本隆至エージェシーディヴィジョン課長は、「状況が大きく変わった。今回の発令により、企業活動は一切できなくなった。活動停止は4月3日までとあるが、いつまで続くかわからない」と語る。急を要するものですでに出荷準備を整えていた製品に関しては「出荷してから閉めるとことができるので、工場には数日間の猶予がある。取引先の中には今週半ばまで稼働するところもある」という。なお、同社の取引先の一つで、医療用のユニホームも生産しているポンテトルト(PONTETORTO)は、その製品に限り生産は止めないという。

 先週までは「イタリアのテキスタイルメーカーの多くが稼働率はスローダウンしていた。1週間工場を閉めて消毒などの感染対策していたところもあったと聞いている。しかし、多くの工場は対策を講じつつ7~8割を稼働させていた。当社の取引先の7社はすべて対策を徹底し、いずれも感染者を出していなかった」という。同社の取引先は毛織物メーカーの名門が集まるピエモンテ州ヴィエラ地区や感度の高いウィメンズ生地を供給するトスカーナ州プラトー地区に多く、山本課長は「その地区にあるテキスタイルメーカーから感染者が出たという話は聞いていない」という。同社が取引するのは、前述のプラト―地区のポンテトルトとミリオール(MILIOR)、ヴィエラ地区のフェルラ(FERLA)、カルロバルベラ(CARLO BARBERA)、ピエモンテーゼ(PIEMONTESE)、ベネト州ヴィヴェンザ地区のマルゾット・ウールのG.Bコンテ(G.B.CONTE ESTHETIA DIV OF MARZOTTO WOOL)、ベネト州トレヴィーゾ地区のパオレッティ(PAOLETTI)。

 日本国内の取引先については「イタリアの状況を理解してくださり、デリバリーが遅れることについては致し方ないという認識の方が多くて助かっている」と話すものの、「状況は刻々と変化しており、今は密に連携を取って状況を把握するしかない。とにかく沈静することを祈るばかりだ」。

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