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廃棄物削減に取り組む理由が曖昧なんて情けない ファッションフリークOL「WWDジャパン」最新号につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、今週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。

今日のニュース:P.8『無視できない廃棄問題、アパレル各社の本音』

読み解きポイント:「消費者は捨ててないのに、売る側は捨てるの?」

ニュースのポイント

 多くのアパレル企業がサステナビリティを考える上で避けては通れないのが大量の在庫と廃棄の問題だ。上場企業では昨年末ごろから株主からの圧力が高まっており、経営層にとって待った無しの問題となっている。「捨てないファッション特集」では95社のアパレル企業に廃棄のリアルな現状を問う無記名の緊急アンケートを実施し、24社から回答を得た。

Azuはこう読む!

 昨年話題になったワードといえば「サステナブル」。「WWDジャパン」本紙でもこの連載でも何度も取り上げていますが、それでも話題は尽きません。年末に実施した緊急アンケートでは、総合アパレル、メーカー、商社、小売などのファッションに携わる95社に回答を依頼したそう。衣料廃棄物の年間廃棄量や廃棄物削減・サステナビリティのために計上する予算額など、本紙ではさまざまな問いに対する各社担当者のリアルな意見が掲載されています。

 その中に、いくつか気になる点がありました。「廃棄物削減のために取り組んでいることは?」という質問に対する「アウトレットの活用」という回答が「解決策になっていないのでは?」と思ったり、「SKUレベルの数量精査」や「売り切ることを前提とした計画的な発注」も「当たり前では?」と思ったり。実際に生産側に立ったことがないので簡単に言えるのかもしれませんが……。

 もちろん商材がないと売り上げは立つはずないので、予算を達成するためには消化率を考えた上で、組まれた予算以上の生産が必要かもしれません。しかし、例えば現状を踏まえず「前年超え」を目安として組まれた予算があるとしたら、それが過剰生産につながっている一つの要因だったりするのでは?と思っています。利益率の低い商品を過剰生産して、その廃棄にお金をかけて……というサイクルがあるとしたら、それは一体何を作ってるのでしょう。

 消費者はメルカリなどのCtoCサービスを利用して賢く不用品を何かに変えているのに対して、売る側は廃棄物として処分しているという現実。昨年発売されアパレル業界でも話題になった本「2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日」(東洋経済新報社)にも辛辣な数字が予想値として記されていましたが、「廃棄物削減に取り組むべきだと考える理由は?」という問いに対して「世界で取り組まれているからやったほうが良い」「無駄の多い業界だから、健全なビジネスにする必要がある」といった曖昧な答えでは先が思いやられます。

 そもそも大量廃棄の問題は今に始まったことではないと思うのですが、それを今になって「社会の流れが」とか、それを受けての「株主が」「消費者が」といって舵をきるのはなんとも情けないというか。最近さまざまな店でショッパーをビニール袋から紙袋へ変えたり、有料にしたりして「サステナブル」に取り組んでいますが、その横で時期尚早の"SALE"の文字を見かけると、「?」となってしまうのが本音。

 一方で、このアンケートに無記名でも答えた24社はそれだけでも素晴らしいと思います。回答できるということは、そもそも問題意識を持っていたから、もしくはすでに取り組んでいるからだと思うので。消費者の意識がどんどん変わっていく中で、10年後の未来も生き残っているかどうかは、そこに追いついていくスピード感があるかどうかにかかっているかもしれません。

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne