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日本初上陸のフットウエアスタートアップ「オールバーズ」が81億円の資金調達へ 「サステナブルなモノ作りをさらに加速させる」

 2016年創業のサンフランシスコ発フットウエアブランド「オールバーズ(ALLBIRDS)」が、シリーズDラウンドで資金調達を行う。ジョーイ・ズウィリンガー(Joey Zeillinger)共同創業者によると、「近日中に完了する」という。本ラウンドの調達額は約7500万ドル(約81億7500万円)。15年8月に実施したシリーズAラウンドからの累計調達額は1億4000万ドル(約152億円)を突破した。

 「すでに黒字化、もしくは黒字に近い利益を出しているため追加で資金調達を行うべき差し迫った理由はない」と話すズウィリンガー共同創業者。それでも資金調達を実施するのは、出資者であるベイリーギフォード(BAILLIE GIFFORD)とフィデリティ マネジメント&リサーチ カンパニー(FIDELITY MANAGEMENT & RESEARCH COMPANY)との関係強化が最大の目的だと説明する。「われわれは四半期ごとの成果にとらわれるのではなく、10年スパンくらいの長期的な観点から戦略を立てたい。この2社は長い目で対象会社を育ててくれるため、最適なパートナーだと考えた」。

 今回調達した資金の大部分は、「長期にサステナブルであるために使う」という。ミニマルなデザインや履き心地のよさにも定評があるが、「オールバーズ」の最大の特徴はサステナブルなモノ作りにある。生産農家から製造業者までトレースすることができるウールをアッパーに使用したり、ソールには石油由来ではなくサトウキビを原料に用いたりするなど環境に配慮した素材開発に注力するほか、同社は物流や従業員の移動などを含めた全企業活動に発生するカーボンフットプリントを詳細に調査し同等のカーボンオフセットを行うことで、19年4月に100%“カーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量を同じにすること)”の達成を宣言している「今最も力を入れているのが“再生可能な農業(Regenerative Agriculture)”だ。ウールを生産する工程で排出する二酸化炭素をどうやって取り除くかを生産者とタッグを組んで考えているところだ」と話し、今回調達した資金を用いてこの取り組みをさらに加速させるという。

 そのほか、1月10日に日本初出店を果たした原宿店を含む20店舗を20年内に出店予定で、その運転資金やさらなる素材開発のための資金に充てるという。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中