「ロンジェビティ」は、いま美容業界で最も注目を集めるキーワードの一つです。
ロンジェビティを直訳すると「長寿」ですが、ビューティ業界で使われる場合は少し意味が異なります。目指すのは単なる若返りではなく、肌や体の機能をできるだけ長く健やかに保つこと。言い換えれば、肌や体の「健康寿命」を延ばすという考え方です。
ロンジェビティという考え方が広がった背景には、科学の世界で起きた大きな変化があります。かつて老化は避けられない自然現象として捉えられていました。ですが2010年代以降、老化研究は大きく前進します。テロメアの短縮、慢性炎症、ミトコンドリア機能の低下、細胞老化など、加齢を引き起こすメカニズムが整理され、老化が漠然とした自然現象ではなく、研究・測定・介入できる対象として語られるようになりました。
もちろん化粧品業界も以前から老化研究には取り組んできました。しかし近年は、こうした科学の進歩を取り込み、その研究成果をロンジェビティという共通言語で語り始めています。「ディオール(DIOR)」は23年、「リバース エイジング ボード」の設立を発表し、老化研究の専門家との連携を本格化させました。ラグジュアリーブランドが、老化を科学的に解明すべきテーマとして掲げたことが、ロンジェビティを美容のメーンストリームへ押し上げる転機となりました。
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