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連載 小島健輔リポート

殻を破った「しまむら」 安全運転から飛躍的成長へ【小島健輔リポート】

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ファッション業界のご意見番であるコンサルタントの小島健輔氏が、日々のニュースの裏側を解説する。しまむらの快進撃が続いている。このほど発表された2026年2月期決算は、6期連続の増収増益だった。全国津々浦々で営業する「ファッションセンターしまむら」「アベイル」「バースデイ」などが成長し続けている。その裏側にはどんな戦略があったのか。小島氏が詳細に解説する。

しまむらの2026年2月期は5期連続の増収増益、最高益更新で27年2月期も6期連続の増収増益、最高益更新が見込まれるが、業績以上に注目されるのが商品政策、営業政策のみならず財務政策まで長年の「殻」を破る変貌ぶりだ。しまむらは長年に渡る安全運転の殻を破り、意表を付く飛躍に転じつつある。

「飛躍」への兆しが見えた26年2月期連結業績

しまむらの26年2月期は売上高が前期から5.2%増加して7000億円の大台に乗り(7000億3400万円)、営業利益は同3.8%増加して614億8300万円、当期純利益は同6.1%増加して444億6000万円と増収増益で、営業利益率は8.8%と同0.1ポイント低下したが純利益率は6.4%と同0.1ポイント上昇した。この結果に伴い、中期計画最終年度となる27年2月期の売上高を7291億円(従来目標+41億円、前期比+4.7%)、営業利益を668億円(従来目標+3億円、前期比+8.7%)とわずかながら上方修正している。

営業的には前期からの「改善」でも資本政策は一変した。期中に456億8900万円の自社株買取りを実施して153億900万円(配当性向35.4%、純資産配当率3.2%)を配当し、444億6000万円も純利益があっても純資産は4885億4500万円と前期から124億3100万円減少した。結果、ROEは9.0%と前期から0.4ポイント、ROAは7.9%と同0.3ポイントアップしている。

自己資本を5000億円(25年2月期末で5009億7600万円)も貯め込む安全運転が株主から資本効率の低さを指摘され、ようやく資本効率と株主還元を重視するROE経営へと転じ始めたしまむらだが、早くもROEは目標値の9.0%に到達している。とは言ってもアシックスの39.1%、HUMAN MADE(ヒューマンメイド)の32.8%、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの20.2%などに比べればROEの目標値が低すぎるから、一段の改革が求められよう。

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