企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」「図解アパレルゲームチェンジャー」の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は急成長を遂げるシューズブランド「オン」を展開するオン ホールディングの決算書を読み解く。(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月6日号からの抜粋です)
今回はスイス発のランニングシューズブランド、急成長中の「オン(On)」を取り上げます。決算書を見るのは初めてでしたが、「新世代」という感じがする企業です。
まず数字から見ていきましょう。売上高は約6000億円。5年前と比べると売上高は7倍、調整後営業利益は11倍になっています。年平均成長率は売上高で47.9%。数字が公表されるようになった2019年から毎年1.5倍の成長をし続けており、素晴らしいです。
オン(On) ホールディング 開示以来の売上高と調整後営業利益、同利益率の推移
オンは10年、デュアスロン元世界チャンピオンのオリヴィエ・ベルンハルドと、コンサル出身のデビッド・アレマン、キャスパー・コペッティの3人で創業されました。オリヴィエが新しいソールのアイデアについて複数の大手メーカーに提案しても採用されず、「悔しくて起業した」というストーリーがあります。
その後、13年にコンサル出身のマーティン・ホフマンがCFOとして参画し、21年の上場を主導。財務基盤構築のミッションを遂げたホフマン氏は、26年5月に現職であるCEOを退任し、創業メンバーのアレマンとコペッティにバトンを戻し、両氏が再び共同CEOに就任します。同時に、25年にダイソンやスペシャライズドでの経験を持つスコット・マグワイヤーがCOOに就任しています。これからはあらためて、ブランディングに力を入れるようです。
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