ケリング(KERING)は7日(現地時間)、「グッチ(GUCCI)」のビューティライセンス契約について、コティ(COTY)との契約終了時期を1年前倒しすると発表した。これにより、当初2028年7月に予定していたロレアル(L'ORÉAL)へのライセンス移管は27年7月1日に前倒しされる。ロレアルは同日から「グッチ」のビューティ事業に関する50年間の独占ライセンス契約を開始する。
今回の前倒しは、ケリングとロレアルが25年10月に締結したビューティおよびウェルネス分野での包括提携を具体化するもの。グッチとコティが既存ライセンス契約の終了時期を1年前倒しすることで合意したことを受け、新ライセンスも1年前倒しで始動する。
ブランド価値向上と長期成長を狙う
ケリングは、「『グッチ』の世界的なブランド力と独自の創造性を、ロレアルのビューティ分野における専門性やイノベーション力、世界規模の流通ネットワークと組み合わせることで、フレグランスとビューティ事業の長期的な成長機会を創出する」と説明した。
さらに、「事業成長に加え、ブランドの魅力と価値を世界的にさらに高める。ビューティとファッションの相乗効果を最大限に生かし、消費者とのエンゲージメントを深めるとともに、ブランドの一貫性や存在感、影響力を強化していく」としている。
ケリングのルカ・デメオ(Luca de Meo)最高経営責任者(CEO)は、「今回の合意は『グッチ』、ロレアル、コティの3社全てに価値をもたらす。移行を加速することで、『グッチ ビューティ』の次の章を予定より1年早くスタートできる」とコメント。「ラグジュアリーとビューティを代表する世界的リーダー企業が手を組むことで、世代や地域を超えて『グッチ』の魅力と影響力をさらに高められる」と述べた。
ライセンス移行の条件も明らかに
コティはライセンス契約の前倒し終了に伴い、約4億ドル(約644億円)の対価を受け取る。支払いは26年に2億5000万ドル(約402億円)、27年に最大1億5000万ドル(約241億円)の2段階で実施される予定だ。また、ロレアルはライセンス終了に伴う移行費用および在庫関連費用の約70%をケリングへ支払う。新ライセンスの発効まで、ケリングとロレアルは円滑な事業移管に向けて協力していく。
ロレアルのニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)CEOは、「予定より1年早く『グッチ ビューティ』をロレアルのブランドポートフォリオに迎えられることを大変うれしく思う。これは50年にわたる取り組みの始まりであり、ロレアルにとって新たな成長エンジンとなる」とコメントした。
シリル・シャピュイ(Cyril Chapuy)=ロレアル リュクス部門プレジデントは、「『グッチ』は豊かな歴史と唯一無二の先進的なビジョンを兼ね備え、現代ラグジュアリーを再定義してきたブランドだ。この象徴的なブランドが加わることで、当社のポートフォリオに新たな創造性がもたらされる。『グッチ』の革新的な感性とロレアルの事業基盤を融合させ、数十億ユーロ(数千億円)規模のビューティブランドへ育成していく」と意欲を示した。