ファッション

「ワールドカップ」効果でビンテージのサッカーユニホームの人気も上昇 専門店「バストーネ」代表が語る“ファッション化”の背景

神奈川県川崎市の新丸子にあるサッカーのビンテージユニホームを扱うショップ「バストーネ(Bastone)」が、7月20日まで渋谷パルコ4階の「VCM ギャラリー」でポップアップを開催中だ。今回のポップアップは架空のクラブチームをテーマにしたアパレルブランド「ボーン レディ(BORN READY)」、アスリートに特化したファッションメディア「ATHLETE FASHION」と共同で行っており、ビンテージのサッカーユニホームや「ボーン レディ」のアイテムを販売するほか、「ワールドカップ 2026」に出場する48カ国全てのユニホームを展示するなど、各国の特徴を活かしたデザインや歴史を体感することができる。

「ワールドカップ」の盛り上がりとともにファッションアイテムとしても人気が高まるサッカーユニホーム。中でもビンテージユニホームへの注目度も高まっているという。ポップアップの会場で、遠藤俊明「バストーネ」代表に話を聞いた。

ファッションアイテムとしての
サッカーユニホーム

WWD:今回のポップアップの特徴は?

遠藤俊明(以下、遠藤):「ワールドカップ 2026」に合わせて、48カ国全ての出場国のユニホームを展示しているところです。「バストーネ」がビンテージショップということで、今回は古いデザインのユニホームを中心に、現行のデザインのものも組み合わせています。

WWD:こちらは販売もしているんですか?

遠藤:壁にかかっているのは展示用です。カーボベルデなど初出場国も探すのに苦労しつつ、何とか集めました。各国の特色を活かしたいろいろなデザインがあるので、ぜひ見て楽しんでいただければと思います。販売用のビンテージユニホームを多くそろえていて、ポップアップ期間中は随時追加しています。

WWD:販売用だとクラブチームのビンテージユニホームが多いですか?

遠藤:そうですね。当店が強みにしているのが、ヨーロッパのクラブチームのビンテージユニホームで、特に今年は「アーセナル」が22年ぶりにプレミアリーグで優勝したので、「アーセナル」のユニホームを多めにそろえています。もちろん、「ワールドカップ」に合わせて、ナショナルチームのビンテージユニホームも販売しています。

WWD:「ワールドカップ」が始まる前から日本代表のアウェイユニホームの売れ行きがすごくて話題になるなど、ファッションとしてのサッカーユニホームの人気も高まっています。ビンテージユニホームの人気も高まっていたりしますか?

遠藤:ビンテージユニホームの売り上げも伸びてますね。もともと世界的に温暖化が進んいる中で普通のTシャツよりも、スポーツウエアを好んで着る人が増えていて、その中でもサッカーのユニホームは、それぞれにデザインの個性があり、カラフルなものも多いので、夏のコーディネートに取り入れやすい。かつ「ワールドカップ」の盛り上がりもあって、今回のポップアップは当店のイベントの中では過去最高を記録するくらいに売れています。

WWD:若い人から見たらレトロなデザインも魅力だったりするみたいですね。

遠藤:確かに1990年代や2000年代始めのデザインを今見るとおしゃれに感じるんだと思います。あと、昔多かった襟がついているユニホームは、ポロシャツ感覚で着れたりもできますしね。ユニホームを1枚だとスポーティーすぎると感じる人も、襟がついているものだと選びやすいんだと思います。

WWD:仕入れる時の選ぶポイントは?

遠藤:基本的にはデザインで選ぶことが多いのですが、その中でも特にやっぱりメッシやクリスティアーノ・ロナウドなど、スター選手のものは選ぶようにしています。あと、結構マニアックなチームだったり、他店であまり取り扱わなさそうなデザインのものも仕入れるようにしています。

WWD:偽物も結構あるんですか?

遠藤:あります。一番分かりやすいところだと、タグですね。タグが正規品のものと時代が違っていたりだったりとか、あとはロゴの縫い目が粗かったり、そういったところで見分けています。ビンテージだと特有の感じが、偽物だと再現ができなかったりするところもあるので、意外と分かります。逆に新品の方が見分けるのが難しくなっています。

おすすめユニホームは?

WWD:遠藤さんのおすすめのユニホームは?

遠藤:一番はこの1994年から95年くらいの韓国代表のユニホームです。「ラピド(RAPIDO)」っていう韓国のスポーツブランドのものなんですが、胸元に韓国の国旗もありつつ、「木・火・土・金・水」の5元素を「青・赤・黄・白・黒」の基本5色で表現する韓国の五行思想に基づいたカラーリングで。その国の文化を反映しながら、デザイン的にもすごくかっこいいなと思っています。

あと、こちらの2002年の日韓ワールドカップの時のイングランド代表のベッカムモデルの長袖ユニホーム。4、5年前ぐらいにこのユニホームをモデルさんが着用した画像がインスタグラムで出回ってから、サッカーユニホームがファッション的にも流行ったっていうところもあるので、このユニホームは外せないです。

WWD:長袖っていうのもいいですよね。

遠藤:そうですね。当時、ベッカムは腕のタトゥーを隠すために長袖を着ていたんですけど、そういったトピックスも込みでおすすめしたいです。

もう一つ、この2002年のUAE代表のユニホームなんですけど、よく見ると先ほどのイングランド代表とほぼ同じデザインになっていて。UAE代表って普段あまり手に取らないと思うんですけど、どちらも「アンブロ(UMBRO)」製で、当時は同じデザインのテンプレートを使っていたんだと思います。、「アンブロ」、「アディダス(ADIDAS)」、「ナイキ(NIKE)」で、当時のデザインのベースみたいなのがあるので、そういうところを見るのもビンテージならではの楽しみ方です。

WWD:ブランドだとどこが好きですか?

遠藤:一番は「ナイキ」で、特に「トータル90(TOTAL 90)」のデザインが好きで。最近は結構復刻もしていたりするんですけど、これは2004年くらいのモデルで。当時オーバーサイズのデザインが多かったんですが、これは今っぽい細身で、すごく「ナイキ」のデザイン性が感じられる一着かなって。これ以降、各メーカー、細身のユニホームが増えてきた印象です。

WWD:最後にポップアップの見どころを一言お願いします。

遠藤:場所が渋谷パルコなので、ふらっと立ち寄ってもらえればと思います。たくさんユニホームがあるので、これはファッションとしても使えそうだなとか、この選手の名前は見たことがあるとか、気軽にサッカー文化に触れられるきっかけの場になるといいなと思っています。

あと、今回の「ワールドカップ」で、この選手が好きになったかとか、この国が気になるとか、そういったところからサッカーに興味を持ってもらって、サッカーユニホームがより身近なアイテムになればうれしいですね。

PHOTOS:KAZUO YOSHIDA


ポップアップ「Rise Up for the Cup」

◾️ポップアップ「Rise Up for the Cup」
会期:2026年6月13日〜7月20日
時間:11:00〜21:00
会場: VCM GALLERY
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ4F
https://www.instagram.com/bastone.jp/

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