ロレアル(L’OREAL)の2026年1〜3月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比3.6%増の121億5000万ユーロ(約2兆2599億円)だった。プロフェッショナル プロダクツ部門の好調に支えられ、市場予想を上回る結果となった。既存店ベースでは同7.6%増、ITシステム移行の影響を除いた調整後既存店ベースでは同6.7%増と、同社が約4%と見込む世界の美容市場の伸びを大きく上回った。
ニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)最高経営責任者(CEO)は「2026年は好調なスタートを切った」とし、「全ての地域と部門でシェアを拡大した」と語った。大型ヒット級の新製品投入とイノベーションの加速が成長をけん引し、フレグランス、ヘアケア、メイクアップでシェアを拡大。スキンケアでも回復の兆しが見え始めているという。eコマースは引き続き大きく市場を上回っており、特に新興市場での伸びが顕著だ。
中東の影響は「管理可能」、
中国は緩やかに回復
中東については「不確実性はあるものの、影響は現時点で管理可能」と説明。同地域の売上構成比は全体の3%未満にとどまる。「中東紛争の影響には警戒しているが、現時点で世界の美容市場に減速の兆しはない」とし、先行きに楽観的な見方を示した。
3月には、トラベルリテールやアラブ首長国連邦(UAE)で販売動向への影響が見られたが、「サウジアラビアでは消費は通常水準に戻っており、重要な成長市場として堅調だ」と指摘。UAEでもeコマースはほぼ正常化し、地域モールでの購買も回復している。一方で「影響が続いているのはドバイの観光型大型モールとトラベルリテール」だといい、今後の動向を注視する姿勢を示した。
ガス価格の上昇によるインフレが消費行動に与える影響については、「現時点では美容消費の減少は全く見られない」としつつ、紛争の長期化は調達や物流への影響、さらにはインフレ圧力の高まりにつながる可能性を指摘した。インフレが長期化した場合には値上げの可能性もあるが、「製品構成やフォーマットの最適化による収益成長マネジメントで、価格を大きく引き上げずに利益を守る手段もある」と説明した。
中国市場は緩やかな回復を見せている。2025年末時点で約1%だった成長率は現在2%程度まで回復。「依然として堅調」と評価した。特にセレクティブ(高級)市場への回帰と消費者信頼感の改善が成長を後押ししている。ロレアルは中国で1ケタ台半ばの成長を達成し、主力のセレクティブ分野でシェアを拡大している。
プロ向け事業が高成長、
フレグランスは減速
世界のスキンケア市場は同約4%増と堅調。同社は25年に同カテゴリーで苦戦したが、改革を進めダーマトロジカル ビューティ部門の売上高は同6.2%増、既存店ベースで同10.8%増と大きく伸長した。
プロフェッショナル プロダクツ部門の売上高は、同14.5%増、既存店ベースで同15.5%増と高成長を記録。オムニチャネル化への構造改革が奏功した。「ヘアケアはより高付加価値で洗練されたカテゴリーになっている」とし、ロングヘア志向が強まっていることや脱毛への関心の高まり、多様な髪質への対応ニーズの増加を背景に需要が拡大していると指摘。成熟市場でもプレミアム製品の比率は低く、成長余地は大きいと述べた。
フレグランス市場はやや減速したものの、引き続き成長しており、「当社は市場を大きく上回る成長を遂げている」と強調した。25年には「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」の“リブレ”が世界で最も売れた女性用フレグランスとなった。