阪急阪神百貨店は、社内報奨制度「カスタマーサクセスアワード」の第3回表彰式を3月23日に開催した。2023年度に創設された同アワードは「お客様の喜びは、私たちの喜び」というバリューに基づいた行動で成果を出した社員を称え、顧客基点で働く企業文化の醸成につなげるのが目的。今年度は全社員の約6割にあたる約2200人が応募し、最終選考で選ばれた12人の受賞者の順位が発表された。
最終選考の順位に加え、全社員によるオンライン投票の結果も反映される。山口俊比古社長は「社員全員が一人ひとりの取り組みを褒め称えるので、限られた人が選ぶ賞ではなく、みんなで選んだ賞という点がユニーク」と強調する。
受賞者は次の通り。バリューに基づく行動で顧客の興味、関心事、課題を解決した取り組みを称える「バリューアクション大賞」営業部門のグランプリは、未開拓男性層の顧客化と新催事モデルの確立に挑んだ博多阪急の催事営業部の小野晋司さん、準グランプリは、阪急メンズ東京の紳士モード・コンテンポラリー営業部の日比野智之さんとお得意様外商部クライアンテリングサービス部の島村秀紀さん。同大賞スタッフ部門のグランプリは、銘菓銘品売り場で賞味期限管理アプリを導入した第3店舗グループフード商品統括部銘店・和洋菓子商品部の瀬野市子さん、準グランプリは海外顧客事業部海外顧客マーケティング部の太田祐梨奈さんとオンラインコマース事業部阪神オンライン営業部の若狭智世さん。
顧客の課題解決が仕組み化され、今後の発展、展開が期待できる取り組みを称える「ビジネスシード大賞」営業部門のグランプリは、デジタルカタログ「メクリブ」の導入によるギフト提案の標準化と業務のDX化に取り組む梅田店舗運営・顧客サービス統括部顧客サービス推進部の山本紀子さん、準グランプリは阪急本店リビング・趣味雑貨営業統括部寝装品・ファブリック販売部の井上香さんと、新規サービス事業部スイーツSPA事業部の小林暖佳さん。同大賞スタッフ部門のグランプリは、富裕層と食に着目した新たな食イベントの企画開発に取り組んだロイヤルカスタマー企画開発部営業企画部の半田潤一郎さん、準グランプリは阪急本店婦人服飾品営業統括部婦人服飾品商品部の阿部夏希さんと、フードマーケティング部フード外販企画部の岩本好史さんに贈られた。
表彰式ではグランプリ受賞者がそれぞれ挨拶。小野さんは「全館で本気で盛り上げてくれた博多阪急と催事営業部のみんなに感謝している」、瀬野さんも「チャレンジしようという気持ちから進めることができた。受賞は皆さんのおかげ」と喜びを語った。山本さんは「いろんな才能が結集してツールが完成した。初めての人でも自信を持って提案できる」とアピール。半田さんは「多様なパートナーとの連携により、外商員がイベント価値を顧客にしっかり届けたことが成功要因」と振り返った。
表彰式で同社の山口社長は、AI時代における百貨店の価値に触れ、「皆さんが向き合うお客さまや共に働く仲間が抱えている課題に気づいて自ら考え、行動していく。この取り組みこそがAIにはできないこと。今日受賞された取り組みは仲間の心に響き、お客さまの喜びにつながった。これからも一人ひとりの個性を活かして取り組んでほしい」と話した。
3年目となった同アワードについては、これまでと異なり、現場の自主性に任せた。昨年度からアワードの取り組みを独立した活動ではなく、普段の本務の取り組みとシンクロさせた結果、自主性が増したという。さらに、取り組み内容の質が全体的に向上。「参加することに意義があるという段階から少しずつ変わってきている」(山口社長)。
取り組み体制も進化している。昨年まではフィードバックが徹底されていなかったが、今年から各案件へのフィードバック材料をそろえ、上長が自身の言葉でフィードバックするようにした。そうすることで来年も頑張ろうという意欲が生まれ、周囲にも好影響を与える。山口社長は「人が人を育て、やる気を引き出す循環、これもコミュニケーションリテーラーにつながる」といい、同アワードにおけるフィードバックの重要性を訴えた。