ビューティ

「アンドビー」「ウォンジョンヨ」擁するレインメーカーズ、韓国進出を本格化 ソンス初ポップアップに1万人来場

化粧品販売からSNSマーケティングまでを一気通貫で手掛けるレインメーカーズが、韓国進出を加速させている。同社は日本発の「ウォンジョンヨ(WONJUNGYO)」や「アンドビー(&BE)」、「シピシピ(CIPICIPI)」、「ミュアイス(MUICE)」などの著名人プロデュースブランドを多数展開。Jビューティのさらなる拡大を狙う。

その第一歩として、3月18〜22日、韓国のソンスでポップアップ「ビューティ ワンダーランド バイ レインメーカーズ(Beauty Wonderland by Rainmakers)」を開催。会場は敷地面積約765平方メートルにもおよぶポップアップ専用会場「エックスワイジー ソウル(XYZ SEOUL)」で実施し、5日間で約1万人が来場した。

全13ブランドが集結 I-neやシャープの他社共創も

会場内は「ビューティワンダーランド」をテーマに、不思議の国に迷い込んだような幻想的な空間を演出。レインメーカーズが手掛ける全13ブランドのブースを設置し、人気アイテムや新製品のタッチアップと販売を行った。加えて、プリクラを撮影できるフォトブースや、サンプルがもらえるスタンプラリーなどの体験型コンテンツを用意した。

会場内には、自社ブランドに留まらず、他企業のブースを設けた。I-neから誕生したばかりのヘアケアブランド「トゥエ(TWOE)」や、ホワイトニング歯みがき粉を扱うオーラルケアブランド「ジーホワイト(GWHITE)」、シャープが手掛ける「プラズマクラスタービューティ(PLASMACLUSTER BEAUTY)」などのコラボレーションブースを設置した。

今回のポップアップで他企業との共創を行った理由について、宇佐美眞レインメーカーズ社長は、「日本のインディーズブランドは海外展開のハードルが高く、チャレンジを諦めてしまうことが多い。そこをなんとか『サポートしたい』という思いで関係値のあるメーカー各社に声を掛け、今回トライアルで入店してもらった」と説明。単なる化粧品メーカーの枠にとどまらず、Jビューティ全体の底上げを狙う“架け橋”としての役割を強調した。

韓国でプレスツアー開催 日本から100人以上が集まる

ポップアップ開催前の3月16〜18日には、ソウル市内で日本のメディアやインフルエンサー、リテール関係者ら約100人を招待した大規模なプレスツアーも実施した。16日に行われたメディア向けの発表会には宇佐美社長も登壇し、事業戦略や今後の展望について説明した。

19年に設立したレインメーカーズは化粧品メーカー事業を軸に、現在は国内・海外の代理店、PRコンサルティング、クリニックの運営などを展開する。「美容と健康とテクノロジーで、もっと楽しく、豊かに生きるをデザインする」をミッションに掲げ、昨今のビューティ業界を盛り上げている。

主力はプロデュースコスメだ。コスメブランド「ジェンティー(GENTY)」はSNS総フォロワー470万超えのインフルエンサーなごみが手掛け、ウェルビーイングビューティーブランド「アディトルビューティー(ADDITTLE BEAUTY)」は、モデルの滝沢眞規子が手掛けるなど、著名人やインフルエンサーを起用したブランド戦略でSNSを中心に話題をさらい、成長を遂げてきた。レインメーカーズ全体の累計出荷数は、約3年間で4000万個(2023〜25年の期間、同社調べ)を記録した。

それぞれのブランドアンバサダーも強力な顔ぶれがそろう。「ウォンジョンヨ」はTWICEのモモ、「シピシピ(CIPICIPI)」はTWICEのチェヨン、「アンドビー」は川口春奈、「ウォンジョンヨ ヘア(WONJUNGYO HAIR)」はNumber_iの平野紫耀を起用するなど、強力なメディアバリューを武器としている。

近年はコスメだけでなく、ヘアケア領域にも進出する。「アンドビーヘア(&BE HAIR)」や「ソルレ(SORULE)」、「アニュミー(ANUMMY)」などのブランドが続々誕生。単発買いになりやすいメイク品に対し、リピートされやすいヘアケアを取り込むことで、ブランドとの接点をより長く、より深いものにしている。

同社はテクノロジーにも力を入れている。業務のDX推進のみならず、独自でAIも開発。コスメのパッケージデザイン生成、外箱の全成分チェック、インフルエンサーを起用した広告表現の薬機法チェックを行うAIなどを導入する。非デザイナーでもデザイン制作が可能になるなど、業務効率化を進めている。

新2ブランドを発表

17日には、インフルエンサーも含めたイベントを開催した。ブランドプロデューサー同士の対談や各ブランドの新製品発表、さらに新たにローンチする2ブランドをサプライズ発表した。

1つ目は、コスメブランド「リリリング(RRRING)」だ。SEVENTEENやNiziUなどのスタイリングを担当する人気スタイリストのソ・スギョン氏がプロデュースし、IVEなどのメイクを手掛けているカン・ダイン氏が監修した。発売日は5月中旬で、4月には「キューテン(QOO10)」で先行販売を行う。

ブランド名「リリリング」の着想源は、携帯の着信音だ。「韓国ではよく、『リンリン』や『ブリリン』と表現しています。そんな着信音のように静けさを破って、雰囲気をパッと変えるアラームからインスピレーションを受けた」(ソ・スギョン氏)。

第1弾は全4アイテムをラインアップする。まばゆい輝きを放つリキッドアイシャドウ“リキッドグラム アイシャドウ シマー&グリッター”(全4色、各1430円)、ジューシーな発色で艶が長持ちする“メルティング ハートデューイ ティント”(全4色、各1430円)、唇の輪郭や色味を整える“オーバー リップスティック ベース&ブラーベース”(全2色、各1430円)、メイクキープをかなえる“フィックスユー グロウミスト”(80mL、1980円)を用意する。

ソ・スギョン氏は、「ファッションは変化が一目で伝わるのに対し、メイクはその違いが分かりにくい。いつも忙しくてメイクをする時間がない人でも簡単なタッチだけで繊細な表現ができたり、いつもと違う自分を楽しめるコスメを開発したかった」と話す。トレンドの移り変わりが激しい韓国だからこそ、ソ・スギョン氏が的確に流行を捉え、カン・ダインと共にコスメに落とし込んでいるそうだ。

2つ目は、タレントの後藤真希がプロデュースするスキンケアブランド「ラルプラス(RALL.+)」で、アイテムなどの詳細はまだ明かされていないが、5月発売を予定している。ブランドコンセプトに「デイリー ケア、フューチャー コンフィデンス」を掲げ、肌に潤いを与えて土台ケアをかなえる“水光肌育スキンケア”を提案。ブランド名は、“だんだんと、ゆるやかに”を意味する音楽用語の“rallentando(ラレンタンド)”から着想を得た。

イベントには後藤本人が登壇し、ブランドをアプローチした。後藤は「私の肌目標は『スローエイジング』。この理想を元に、今回スキンケアアイテムを作りました。スキンケアはコツコツ続けることが大事で、いかに習慣化できるかで肌は変わっていくと思っています。水光肌と呼べるような美肌を、『ラルプラス』でかなえてほしいです」と話した。

「ウォンジョンヨ」が「オリヤン」に上陸

同イベントでは、「ウォンジョンヨ」を巡り、直近で2つの動きが明らかになった。

1つは、3月27日から韓国最大級のヘルス&ビューティ専門店「オリーブヤング(OLIVE YOUNG)」での取り扱いを開始である。同ブランドは韓国コスメと認識されることが多いが、韓国のメイクアップアーティスト監修、韓国メイク発想という特徴を持ちながらも、実態は、レインメーカーズが展開する日本発ブランドである。ブランドプロデューサーであるウォン・ジョンヨにオファーしたのも宇佐美社長であり、まさに“逆輸入”的な成功例といえる。

そのため、「オリーブヤング」への入店は「ウォンジョンヨ」にとって念願だった。「本当にびっくりしました。『オリーブヤング』への入店はブランドの目標だったので、とても感慨深いです」(ウォン・ジョンヨ=プロデューサー)と語る。

もう1つは日本の家電ブランド、シャープとのコラボレーションだ。アイテムはプラズマクラスターを搭載したヘアブラシで、2026年秋の発売を予定している。詳細は追って発表となる。

美容家電やオーラルケア領域にも進出

宇佐美社長は今後について「今年から27年にかけて、美容家電やオーラルケアの製品を投入する計画だ」とし、さらなるカテゴリーの拡張を示唆。今後は他社との協業にも力を入れるという。インフルエンサーマーケティングを主軸とするC Channelとは、TikTokのライブコマース事業を強化すると発表。26年夏までにレインメーカーズのブランド3チャンネルを開設し、毎日配信を目指す。

今回のレインメーカーズの動きは韓国進出という枠組みを超え、Jビューティ全体を押し上げる存在としての存在感を強めている。韓国市場を足がかりにした今後の動向に、引き続き注目が集まりそうだ。

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