ファッション
特集 THE BUYER 20 第17回 / 全19回

90年代「エックスガール」旋風を生み出したバイヤー“MAGO” 「エディットがより大きな価値を生む時代」【THE BUYER 20】

有料会員限定記事

PROFILE: 南馬越 一義/ビームス ディレクターズバンク クリエイティブディレクター

南馬越 一義/ビームス ディレクターズバンク クリエイティブディレクター
PROFILE: (みなみまごえ・かずよし)1962年生まれ。85年、ビームスに入社。ビームス原宿店で販売員を務めたのち、89年に「レイ ビームス」に配属。バイヤーとして「エックスガール」「ミルクフェド」など海外ブランドを日本に紹介し、90年代のヤングカジュアルシーンをけん引した。現在は日本ファッションウィーク推進機構 ファッションウィーク実行委員、東京ファッションデザイナー協議会 正会員、メンズファッション協会 上席執行役員 PHOTO : AI OKUBO

日本には、ファッションシーンを作ってきた目利きたちがいる。彼・彼女たちはどのように感覚を研ぎ澄ませ、何を目利きし、時代を動かしてきたのか。背景にある考えや哲学を知ることで、今のバイヤーたちにも大いに学びとなるはずだ。

“MAGO”の愛称で知られる南馬越一義ビームス ディレクターズバンク クリエイティブディレクターは、かつて「エックスガール(X-GIRL)」「ミルクフェド(MILKFED.)」を日本に持ち込み、ウィメンズのヤングカジュアルで一時代を築いた人物だ。日本のセレクトショップ全盛の空気を肌で感じ、酸いも甘いも経験してきた蓄積には、現役のバイヤーにも通じる学びが詰まっている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月8日号からの抜粋です)

「僕のマネはしないほうがいい」

WWD:改めてバイヤーになった経緯を教えてほしい。

南馬越一義ビームス ディレクターズバンク クリエイティブディレクター(以下、南馬越):大学2〜3年のころ「ビームスF(BEAMS F)」に通っていた。栗野(宏文現ユナイテッドアローズ上級顧問)さんが当時店長で、「バイトやらない?」と声をかけてもらった。1985年に正社員として入社、ビームス原宿に配属された。当時のビームスは「ポパイ(POPEYE)」に載るアイテムが多く、「ビームスに置いてある」こと自体が信頼の証だった。

WWD:当時からバイヤー志望だったのか。

南馬越:思ってもみなかった。89年に「レイ ビームス(RAY BEAMS)」を立ち上げるとき、いきなり「店長をやれ」と。ずっとメンズだったのに急にウィメンズを任された。最初はよく売れたが、やがて上司のバイヤーが辞め、後任を任された。手探りでやったが在庫を抱え、責められた。会社をサボってゲーセンに行ったこともある。でも「やりたいようにやって辞めよう」と決めた。音楽やストリートの文脈で「女の子のためのストリートウエア」がないと気づき、ロンドンやパリ、ニューヨークに探しに行った。

この続きを読むには…
残り1411⽂字, 画像4枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Is AI GOOD?AIがもたらす「ゲームチェンジ」

「WWDJAPAN」12月1日号は、ファッション&ビューティ業界でいよいよ本格化する“AIゲームチェンジ“を総力特集しました。11月19日のグーグル「ジェミニ3.0」発表を契機に、生成AIは「便利なツール」から「産業の前提インフラ」へ変貌しつつあります。ファッション&ビューティ業界で浸透する生成AI及びAIの活用法とゲームチェンジに向けた取り組みを紹介しています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。