毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月23日号からの抜粋です)
木村:半期に1度恒例のリアルトレンド特集です。ウィメンズはセレクト、アパレルブランドなど、トータルで50業態の展示会取材をまとめました。伊藤さんは何が気になりましたか?
伊藤:マークスタイラーの「エモダ(EMODA)」のスタイリングで勝負を仕掛ける姿勢に商機を感じました。レザーブルゾンとワイドパンツというベーシックな組み合わせながら、ウエストとデコルテが見える今っぽいスタイリングは、リアルに着たい!と思いました。“腰に巻くためだけのニットベルト”みたいなスタイリング目的のアイテムなど、独自の提案が、ファン層を引きつけるフックになるだろうと感じました。
木村:そういう意味では、セレクト業態も割と大人が着るミックススタイルが目立つシーズンでした。スポーツやビンテージ、ユーティリティーなどの要素をミックスしながら、ジャンルを超えてスタイリングを楽しむ流れは明確でした。
バランスが絶妙なカプリパンツに注目
伊藤:注目アイテムはありましたか?
木村:セレクト業態の展示会では、ミモレ丈ボトムスが新鮮に感じました。50年代のレディーライクな流れは気になりました。あと印象的だったのは「レイ ビームス(RAY BEAMS)」が提案していたカプリパンツ。絶妙な“ダサかわ”。やぼったいとオシャレのバランスを楽しむ流れは、「ミュウミュウ(MIU MIU)」の影響を感じます。
伊藤:カプリパンツ……!丈感という観点では、ヤングマーケットは「ジーユー(GU)」の膝丈パンツ“ニーショーツ”に注目です。個人的にはソックスが気になりました。特にブーツに合わせる提案が豊作。暖冬でウエアよりも小物を充実させる動きが継続なのは間違いないですが、ソックスは冬の必需品。期待です。
木村:確かに、ブーツだけでなくサボやサンダルに靴下を合わせるといった足元スタイリングは充実していましたし、注目ですね。暖冬でどうする?は共通課題ですが、一方で8月くらいから秋物を欲しい顧客に向けた、涼しく着られる秋っぽいアイデアアイテムも良いなと思いました。必見です。