毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2026年3月16日号からの抜粋です)
村上:2026-27年ミラノコレは「フェンディ(FENDI)」「マルニ(MARNI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」などで新デザイナーがデビューしてニュースが多いシーズンでしたが、やはりデムナ(Demna)による「グッチ(GUCCI)」への注目度が高かったです。表紙もひっくるめて、大きく取り上げました。
木村:表紙の英字タイトルに「LOVE?CONFUSED?」とあるように、賛否両論が沸き起こりましたが、デムナのコレクションを初めて見た私は困惑側でした(苦笑)。前シーズンに発表した映画の延長線上という感じで、「着られる」「売れる」を超越した世界観勝負に驚きました。
村上:事前にインタビューを読んでいたので、「ルネサンス」というキーワードは分かっていて、会場に飾られた彫刻にも納得。実は最初の10ルックくらいまでは「あぁ、やってしまった……」というのが正直な感想でした。でも、ルネサンス期の画家が裸の人間の纏わせたトーガをデムナらしくストリートなTシャツで表現したルックを見て、ルネサンスを現代的に表現しているなと。90年代後半、誰も注目していなかった「グッチ」をトム・フォード(Tom Ford)が刷新した時も「一体、誰が着るの?」というスーパーセクシーなコレクションに私自身熱狂しましたが、業界の注目も集めて一気に最前線に躍り出ました。サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)は本当に玄人向けのコレクションでしたが、デムナは忘れられていた「グッチ」を思い出させることをまず優先したのでしょう。
「ルネサンスなボディコン」に衝撃
木村:私はクワイエットラグジュアリー全盛期にコレクション取材を始めたので、「ルネサンスなボディコン」は見たことがなく、衝撃でした。注目度に重点を置くアプローチを含めて勉強になりました。
村上:「嫌い」な人が少なくないスタイルであることも分かります。今のタイミングで優先すべきはコマーシャルピースなのでは?とも思いましたが、私はこの大胆な勝負を応援したいです。ショー当日はどこへ行っても「見ました?」と話題だったし、SNSは否定的なコメントが多かったけれど、その数はレベチでした。ある意味狙い通りだったのだと思います。木村さん的ベストブランドは?
木村:私は「マックスマーラ(MAX MARA)」を見て、「あぁいう服を着られる女性になりたい」と素直に思いました。顧客層を広げるアプローチとして正統派で、ずっと持っていたいと思わせるワードローブになりそう。今シーズンは特に共感しました。