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そうきたか!LVとSUGALABOという新展開 エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年7月23日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

そうきたか!LVとSUGALABOという新展開

 おっと!来ましたね、このニュース。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が日本最大規模の店を大阪・御堂筋にオープンし、最上階に「SUGALABO」の須賀洋介オーナーシェフが手がけるカフェ&レストランが入るそうです。世界広しと言えど、「ルイ・ヴィトン」の店舗がレストランを併設するのは初めて。ラグジュアリーと飲食の新しい扉が開くと言っても過言ではありません。しかもパートナーは今を時めくスターシェフ。これは話題です。

 フランス生まれの「ルイ・ヴィトン」は80年代以降、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)会長兼最高経営責任者(CEO)の指揮下でレザーグッズを中心に世界中へビジネスを広げてきました。1997年にはマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)を起用してプレタポルテを本格スタートしアイテムの幅を拡大。キム・ジョーンズ(Kim Jones)がメンズのアーティスティック・ディレクターに就任(2011年)以降はメンズのビジネスの成長も著しく、現在同職に就くヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)の活躍はご承知の通りです。

 そして次は飲食。LVMHのさらなるビジネス拡大の胎動をこのニュースに見ました。LVMHはグループ傘下にワイン&スピリッツのグループを持ち、「モエ・エ・シャンドン(MOET ET CHANDON)」や「ドン ペリニヨン(DOM PERIGNON)」などを有していますが、レストランビジネスはそれとは角度が違う話です。なぜなら、食材という鮮度命の材料が使われ、料理という人の手による仕事が入るから。輸出ビジネスとは異なり、土地土地のシェフや飲食関連企業との協業が重要になります。

 食、特にレストランは、その時・その場にいなければ体験することができない、ある意味究極にクリエイティブで贅沢な商品です。シェフが指揮するチームの「手」から生まれ、その場で消費されるという意味で音楽や演劇といったライブイベントに近い。また、レシピの多くにはルーツがあり、食材の組み合わせは科学でもあるといった理由から、食することは知的好奇心も満たしてくれます。この“知的好奇心”は今後のラグジュアリービジネスの重要なキーワードだと思います。

 「SUGALABO」はその名の通り、実験的なアプローチのメニューが魅力で、海外デザイナーが来日した際のディナーでは、度々彼の料理が採用されています。「SUGALABO」に行くというより、私邸などを会場に、ブランドの世界観を須賀さんなりに解釈し季節感を盛り込んだ唯一無二の世界を作り上げます。その多くが、味覚だけではなく嗅覚や視覚など五感が刺激されるものです。

 LVMHは日本をラグジュアリービジネスのテスト市場としてとらえているところはあると思います。同店に始まり、この先「SUGALABO」に続く、スターシェフたちとの協業を世界中へ展開してゆくことが予想されます。楽しみです。

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