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ナイキがブロックチェーンでの追跡に関する特許を取得

 ナイキ(NIKE)はブロックチェーンを利用してスニーカーの所有者IDを追跡する特許を取得した。

 この特許技術を使用したスニーカー群を“クリプトキックス(CRYPTOKICKS)”と呼び、ブロックチェーン上でトークン化した情報によってそのスニーカーの所有者IDを特定できるという。これによって二次流通市場の模倣品を特定したり、リアルでもバーチャルでも商品を追跡したりすることができる。将来的にはそのデジタル化したスニーカーを売買したり、ゲーム上で利用したりすることが期待されると専門家は説明する。

 ナイキの担当者からはコメントやこの特許技術の詳細な説明は得られなかったが、専門家によるとこの技術は所有者IDを作成・記録し、その情報はブロックチェーン上に保存されるという。トークンはいわゆるデジタル・ウオレットに保管され、ビデオゲームなどとも連動して、ゲームのアバターも購入した同じスニーカーを履くことができるようになるという。

 ナイキは「“クリプトキックス”に使用される特許を取得できたことをうれしく思う。また、アスリートや消費者がブロックチェーン上で『ナイキ』に触れる機会を提供できることを楽しみにしている」とコメントを発表した。

 ブロックチェーンは基本的に物理的なアイテムを追跡し、サプライヤーから購入者までの流れを監視するための分散ネットワークだ。当初は暗号通貨に利用されていたが、最近では物理的資産の所有権の追跡手段としても使用されている。特にラグジュアリーやジュエリー市場で製品の信頼性を確保する方法として注目が集まっている。追跡業者エバーレッジャー(EVERLEDGER)は、ダイヤモンドを追跡するためにブロックチェーン技術を用いているという。

 その設計上、ブロックチェーンは所有者情報や移動の流れを記録・保管しやすく、気付かれることなく情報を改ざんすることが難しい設計になっていると専門家は説明する。

 ナイキがこの特許を取得したことで競合ブランドに与える影響は未知数だ。同社が取得した特許は、他社が同様の目的でブロックチェーンを利用することを妨げるわけではない。しかし、ナイキ独自のブロックチェーンへの記録の保存方法などは使用できない可能性が高い。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中