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パリコレ9日目のハイライト パリの街の屋根を舞台にした「シャネル」、いつもより少しパンキッシュな「ミュウミュウ」、ベル・エポックに光を当てた「ルイ・ヴィトン」

 2020年春夏パリ・コレクションの最終日は、「シャネル(CHANEL)」、「ミュウミュウ(MIUMIU)」、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」などメガブランドがショーを行い今シーズンを締めくくった。

シャネル(CHANEL)

DESIGNER/ヴィルジニー・ヴィアール

 ヴィルジニー・ヴィアールによる初のレディ・トゥ・ウエアコレクション。カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)在任時から「シャネル」はグラン・パレ(Grand Palais)に大掛かりなセットを作ることで知られるが、今回のランウエイセットはカンボン通りの「シャネル」のアトリエから見える屋根の上の風景を再現した。モデルはその上をポケットに手を突っ込んで歩き、リラックスしたムードだ。コレクションはツイードのミニ丈のオールインワンからスタート。その後はカーディガンのように前を開けて羽織るようなデザインのツイードジャケットやフレアスカートやホットパンツなどフェミニンでウエアラブルなアイテムが続く。アクセサリーもカール時代のようモチーフをかたどったバッグなどではなく、日常で多用できるバッグが多く登場した。“潜入者マリー(Marie S’Infiltre)”の名前で活動するユーチューバーでコメディアンのマリー・ベノリエル(Marie Benoliel)がフィナーレでランウエイに乱入するなどのハプニングは、ジジ・ハディッド(Gigi Hadid)が冷静に対処し事なきを得た。

MIUMIU(ミュウミュウ)

DESIGNER/ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)

 カラフルな絵具が飛び散ったような柄の服やバッグ、シューズが象徴するように、今季の「ミュウミュウ」は偶発性や手仕事から生まれる躍動感などがポイントになっている。体に直接巻き付けたようなドレープ使いや、ずり落ち落ちたように着るスタイリングなど、予定調和ではないデザインで、着る人の強い意志を感じさせる。カラフルな色使いで独特のかわいらしさは健在だが、いつもより力強くパンクチュアルな印象だ。

LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)

DESIGER/ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)

 パリの古き良き時代、19世紀後半から20世紀初頭のベル・エポックに光を当てた。S字型を描くカーヴィーなミニドレスや、当時のオーダー紳士服をほうふつとさせるパンツスーツなどにニコラ・ジェスキエールが得意とするスポーティーな要素をブレンドし非常に華やかなコレクションに仕上げた。ショー会場壁一面の巨大なモニターに映し出されたのは、アーティストのソフィーが「It’s Okay To Cry」を高らかに歌う映像でその場にいる者の感情を喚起する。パリやファッションの美しさをエモーショナルに取り戻そうとするニコラ・ジェスキエールの姿勢が反映されているようだ。