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“KIMONO”の商標登録を目指すキム・カーダシアン 「文化の盗用」と批判続出

 米国のリアリティショーで一躍有名になり、カニエ・ウェスト(Kanye West)を夫に持つキム・カーダシアン(Kim Kardashian)の補正下着ブランド「キモノ(KIMONO)」を手掛けるキモノ インティメーツ(KIMONO INTIMATES)が、“KIMONO”や“KIMONO”という単語を含むロゴや文字を米国で商標登録出願し、これが「日本の文化を軽視した行動」「文化の盗用」だとSNSを中心に批判の声が噴出している。また、「#KimOhNo」というハッシュタグと共に着物を着用した画像を投稿することでキムの行動に抗議する動きもみられる。

 商標の出願状況が検索できる米国特許商標庁のデータベースによると、出願された商標は、“KIMONO”のほか、“KIMONO BODY”、“KIMONO SOLUTIONWEAR”、“KIMONO WORLD”、“KIKIMONO”など。2018年4月ごろから順次出願を開始し、“KIMONO”の文字を使用したロゴは19年6月19日付で出願し、現在審査中だ。

 商標は出願時に登録範囲を指定する必要がある。キモノ インティメーツはランジェリーや補正下着、パジャマ、ストッキング、ベビードール、ボディースーツ、ローブ、スイムウエアのほか、サンダルや革ベルトなどを指定している。

 日本の伝統的な被服である“着物”に対して“着物”という商標登録は認められない。これは、原則としてその商品に対して普通名詞化している言葉の商標登録は認められていないからだ。一方で、アップル社が“APPLE”をコンピューターに対する商標として登録することが認められたのは、“APPLE”が一般名詞であっても指定商品(コンピューター)に対しては普通名詞として認識されていないからだ。つまり、果物の“リンゴ”に対して“APPLE”は登録できない。今回のケースは、ランジェリーなどの指定商品に対して“KIMONO”という単語の商標登録が認められるかどうかに注目が集まる。また、革ベルトなどランジェリーなどと比較すると明らかに被服でないものについて“KIMONO”という単語の商標登録が認められるのかについても関心が高く、審査結果に注目が集まる。

 補正下着ブランド「キモノ」は、キムが単独で立ち上げる初のファッションブランド。6月25日には自身のインスタグラムに「15年間温めてきたプロジェクトをようやく発表できる」というコメントと、補正下着を身に着けたモデルと共に自身が写った写真を投稿した。「『キモノ』は私なりの補正下着に対する考え方を表現したもので働く女性のためのソリューションだ」と続けているが、ブランド名の由来などは現時点で明かしていない。この投稿には260万以上の‟いいね”が押されている。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中