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リーバイス上場につきNY証券取引所のドレスコードが変わる?

 IT企業から始まり瞬く間にトレンドになったビジネスウエアのカジュアル化は、今やほぼ全ての米国企業に広まり、高級レストランから幹部が揃うようなミーティングまで、たいていのシーンでジーンズなどが許容されるようになった。ゴールドマンサックス(GOLDMAN SACHS)でさえ最近は“柔軟なドレスコード”へと移行している。そのような流れにありながらもニューヨーク証券取引所は禁欲的で、取引の場において厳格なノージーンズポリシーを掲げ、フォーマルを貫く最後の砦だ。しかし、近々上場を予定しているリーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)の登場で、その砦は揺らぐかもしれない。

 リーバイスの2度目となる株式上場(IPO)の公開株式数は3670万株、1株当たりの価格は14~16ドル(約1500~1700円)になる見込みで、上場後の時価総額は62億ドル(約6882億円)に昇り、同社は約5億8600万ドル(約650億円)の資金を調達すると予想されている。

 株式を売却する株主の多くは創業家のハース(Haas)一族で、株価16ドル(約1700円)での売却となった場合、故ピーター・ハース前CEOの妻であるミミ・ハース氏が保有する株式の評価額は10億ドル(約1100億円)以上になる。ハース氏は今回600万株を売却し、残りの5700万株は引き続き保有するという。またハース家は上場後もクラスB株式を保有し、優先的な議決権を持つ支配株主として、引き続き経営の主導権を握る。

 新規上場の際は企業の代表者が取引開始のベルを鳴らすが、その役を担うのはもちろん同社のチップ・バーグ(Chip Bergh)CEOだ。11年からリーバイスを率いるバーグCEOはブランドに数々の目覚ましい転換をもたらした人物で、常にリーバイスのジーンズをはき、デニムジャケットもよく着ている。

 ニューヨーク証券取引所の15年時点のドレスコードは”ビジネスカジュアル”であり、当時の注意書きには「スーツ:スポーツコートまたはジャケットを着用すること、ネクタイは必須ではない」「ドレス:襟のあるゴルフシャツまたはポロシャツ、タートルネック可。Tシャツやタンクトップまたはそういった類いのカジュアルシャツ、ジーンズとショーツは不可」との記載があった。この条件は女性にも適用されるため、ミミ・ハース氏が登場する場合もドレスコードは同様だ。

 同証券取引所は何かしらの特例を出すなど、ドレスコードを緩める可能性について言及していない。記念すべき再上場の日にジーンズやデニムジャケットを纏った経営陣を見ることはできるのか、彼らの服装にも注目したい。

大根田杏(Anzu Oneda):1992年東京生まれ。横浜国立大学在学中にスウェーデンへ1年交換留学、その後「WWD ジャパン」でインターンを経験し、ファッション系PR会社に入社。編集&PRコミュニケーションとして日本企業の海外PR戦略立案や編集・制作、海外ブランドの日本進出サポート、メディア事業の立ち上げ・取材・執筆などを担当。現在はフリーランスでファッション・ビューティ・ライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を行う。