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「スチュアート ワイツマン」親会社がセクハラ訴訟を起こした元重役を提訴 雇用契約違反で

 「コーチ(COACH)」や「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)は18日、傘下のシューズブランド「スチュアート ワイツマン(STUART WEITZMAN)」でプロダクト・ディベロップメント・フットウエア事業のバイス・プレジデントを務めていたトーマス・ギブ(Thomas Gibb)を雇用契約違反で解雇し、日本の地裁にあたるニューヨーク州最高裁判所に訴訟を提起した。

 タペストリーは、ギブ前バイス・プレジデントがビーチサンダルブランド「タイダル ニューヨーク(TIDAL NEW YORK 以下、タイダル)」とあらゆる関わりを持ち、フットウエアラインの企画を流出させたことでタペストリーに損害を与えたと主張する。雇用契約書に記載されている利益相反行為の禁止条項違反や、忠実義務違反、会社機会の流用禁止違反だとして「ギブ前バイス・プレジデントはタペストリーに割くべき時間や労力をタイダルの機会拡大のために費やした」と主張している。

 ギブ前バイス・プレジデントは、「スチュアート ワイツマン」のクリエイティブ・ディレクターを2月に退任したジョバンニ・モレッリ(Giovanni Morelli)とタペストリーの2者に対して、モレッリから受けたセクハラ被害についての訴訟を提起している。

 ギブ前バイス・プレジデントの代理人、デイヴィッド・ゴットリーブ(David Gottlieb)弁護士は、「タペストリーの行為は明らかにギブ(前バイス・プレジデント)が訴訟を起こしたことに対する報復行為だ。ギブは同社に入社してから2年間、模範的な社員として働き、常に高い評価を受けていた。タイダルに関する活動についても常に全てを明らかにしてきた」とコメントした。

 タペストリーはギブ前バイス・プレジデントが提起したセクハラ訴訟についてはコメントを控えたが、両訴訟は「無関係だ」とした。同社がギブ前バイス・プレジデントの契約違反を認識したのは、ギブ前バイス・プレジデントがセクハラ訴訟を提起した後だったという。

 ゴットリーブ弁護士は「訴えの実体がないため棄却されるようにわれわれは動く。タペストリーがどのような意図をもっているか分からないが、ギブの立場をおとしめるための行動であることは明らかだ」と批判した。

 セクハラ訴訟のために裁判所に提出された書面によるとギブ前バイス・プレジデントは、モレッリの性的な発言が職場の空気を悪くしたり、出張中に体を不必要に触られたり、「同性愛に興味はないか?」と聞かれるなど不適切な言動を向けられたという。さらに、そのことをギブ前バイス・プレジデントが「スチュアート ワイツマン」の人事部に複数回申し出ても、モレッリがブランドの“顔”であることから「完全に無視された」と主張し、両者に対して損害賠償の支払いや弁護士費用の負担などを求めている。