PROFILE: 加納美幸/「リズリサ」ラフォーレ原宿店 副店長

「リズリサ(LIZ LISA)」ラフォーレ原宿店で副店長を務める加納美幸さん。「『リズリサ』で働けなかったらそもそも東京にはいません」と言い切る。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月22日号からの抜粋です)
NO.1 POINT
圧倒的ブランド愛
「リズリサ」一筋20年
「リズリサ」とは小学生の頃に出会った。後に働くことになる渋谷109店が最初に訪れた店舗だった。「フリーサイズの『リズリサ』では、正直買うものを選びました。まだ体が小さくて。でも、何かしら買いたかった。結局、パールやリボンが付いているキャミソールを多色買いしました(笑)」。20年ほど前の出来事も昨日のことのように語り出す加納さん。それだけで、どれほど「リズリサ」に夢中になっていたかが伝わる。
中学生のころには、お小遣いを握りしめて石川県の店舗に通った。片道車で1時間かかる距離を、親に頼み込んで1〜2カ月に一度は往復した。「『リズリサ』の商品をまとえば、気分はまるでお姫さま。着るだけでテンションが上がります」。就活時もやすやすと県境を越えた。「当時は『リズリサ』で働きたいという一心でした。合格をいただいたときも、上京することに迷いはありませんでした」。
まずは、竹下通り店に配属された。しかし、商品がかわいいことは分かるが、なぜかわいいのかを説明できなかった。先輩から素材やディテールの名称を教わったり、時に自分で調べたりしながら、コツコツとインプットする毎日が続いた。「1年目はとにかく学ぶことばかりでした。今思い返せば、夜なのに『おはようございます』と挨拶することさえ衝撃だったな(笑)。でも、『リズリサ』に関わることであればどんなことでも吸収できます」。中でも「リズリサ」の販売員に欠かせないのが、洗濯表示マークへの理解。装飾が多いからこそ、「家で洗えるか」を気にする客は多い。
加納さんに負けないほど「リズリサ」愛が強い顧客も少なくない。ブランドがスタートした当初から、オリジナル柄のアイテムをコレクションしている人もいる。「そんな方がいらっしゃったときも、私だったら『昔こういう柄ありましたよね』『あの柄に似ていませんか』と会話に花を咲かせられる。そう自信を持って言えます」。話せる人が限られる話題だからこそ、客の充実感を底上げできると語る。
玄人向けの接客のように聞こえるが、新客からリピーターまで、年齢は10代から60代までと、幅広い来店客を魅了している。「同じ商品でも、おすすめする理由を使い回しません。お客さまに合わせて説明にアレンジを加えます」。そんな接客を求め、今や顧客は国外からも足を運ぶ。「正直英語は得意ではないです。でも『リズリサ』が好きということが共通しているからかな。単語とジェスチャーできちんと伝わるんです」。海外でも、インフルエンサーの着用が後押しし、“ロリータブランド”ではなく「リズリサ」として浸透しつつある。最近は「『リズリサ』の服が買いたい」と、目的買いの訪日客も増えた。
加納さんは、採用時の面接で「『リズリサ』の店舗を増やしたい」と語ったという。「全国に店舗があれば、一部の人のブランドから皆のブランドになる。そうすれば『甘めの服に挑戦したいがどうしても勇気が出ない』という人も手に取りやすくなる」。今もその思いは変わらない。地元・富山にオープンする日を夢見て、今日も店頭に立つ。