ファッション
特集 新アフォーダブル・ラグジュアリー 第7回 / 全17回

「カフネ」創業者2人は幼なじみ “仲の良さ”が紡いだ10年【注目の新アフォーダブル・ラグジュアリー・ブランド】

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ここからは、「WWDJAPAN」の各カテゴリー担当者が注目する新アフォーダブル・ラグジュアリー・ブランドを紹介したい。こちらの記事で列挙した定義に沿ったブランドの多くが掲げる、リアリティーに即した価値観にも注目したい。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月1日号からの抜粋です)

「カフネ」| 香港

BRAND PROFILE

創業:2015年
およその価格帯:7万〜9万円 
販路:香港、中国本土、台湾、日本、米国、シンガポール、オーストラリアで直営ECを運営。日本では昨年7月にワールドがポップアップを実施
日本の代理店:なし

“意味のないデザイン”は取り入れない

香港発のバッグブランド「カフネ(CAFUNE)」は2015年に誕生した。手掛けるのは、デイ・ロウ(Day Lau)=マネジング・ディレクターとクイーニー・ファン(Queenie Fan)=デザイナー。創業から苦楽を共にした戦友であり、小学校5年生で出会って以来の親友でもある。

「好みのファッションは異なるが、『カフネ』が描くビジョンやデザインは常に一致している。お互いを心から信頼している」。そう語る2人の言葉は力強い。ロウ=マネジング・ディレクターは不動産業界でマーケティングとPRの、ファン=デザイナーは「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」や「コーチ(COACH)」「ラグ & ボーン(RAG & BONE)」でハンドバッグのデザインの経験を詰んだ。これらのキャリアが合わさり、「カフネ」の基盤になったと語る。

「カフネ」が徹底しているのは、“意味のないデザイン”を取り入れないこと。安直なごまかしが利かないため、商品開発は試行錯誤の繰り返しだという。特に素材選びは慎重に行うといい、「最大で9カ月費やすこともある」。伊・ミラノで開催する世界最大級の皮革見本市にも毎年足を運んでいる。

こうして生まれたバッグの一つ“スタンス(Stance)”コレクションは、全世界で不動の人気を誇る。ブリーフケースに着想したデザインは、「女性の社会的進出を象徴している。かつては男性のみが持っていたバッグを今日は女性も持つことができる」とファン=デザイナー。タイムレスなデザインは合わせる服やシーンを選ばない。

7万〜9万円という中心価格は、手の届きやすさを意識してのこと。さらにホームページやSNSで「『カフネ』の理想の女性像」をビジュアル化し、“憧れの気持ち”を醸成。“買える”を“買いたい”に昇華させる。ロウ=マネジング・ディレクターは、「どれだけブランドが成長しようと、それは価格を引き上げる理由にはならない。生産コストが高騰し、やむを得ず価格を引き上げるときは、見合うだけのクオリティーを提供する」と強調する。

10周年を迎えた8月には、リブランディングを実施した。経年劣化しにくいステンレススチールの金具や傷が付きにくい素材を積極的に採用し、世代や時代を超えて受け継がれる“ラグジュアリー”を追求する。ファン=デザイナーは「今後も『カフネ』のコミュニティーのため、心を込めてモノ作りに励みたい。今はECが主な販路だが、いつかは実店舗も持てたら」と未来を語る。

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