
インポートブランドを中心に値上げ圧力が続く中、そうした商材を豊富に扱うハイエンドなセレクトショップでは、新アフォーダブル・ラグジュアリー・ブランドの存在にも目を向けている。売れ筋や注目株とともに、店頭での訴求ポイントを聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月1日号からの抜粋です)
MENS
バーニーズ ニューヨーク
“ひとひねり”の面白み
「オーバーコート」に注目
ハイエンドなデザイナーズブランドをそろえるバーニーズニューヨーク(BARNEYS NEWYORK)も、ラグジュアリーの価格高騰を背景に、アフォーダブル・ラグジュアリーを重要なカテゴリーとして位置づけている。欧州のメゾンブランドを長年愛用してきた顧客の中にも、価格の上昇により購入を控える層が増えており、その受け皿として比較的手が届きやすい価格帯で、クオリティーとデザインを兼ね備えた新鋭ブランドが支持を集めている実感があるという。
特に注目するのが、2017年春夏から取り扱う「オーバーコート(OVERCOAT)」。ニューヨークを拠点に活動していた大丸隆平が15年に立ち上げたブランドだ。品質へのこだわりから大半のアイテムは日本製で、着る人に自然になじみつつ、どこかに主張を感じさせるデザインで人気を高めてきた。ビジュアルを使ったコミュニケーションやイベントを通じた交流にも積極的で、早くから同ブランドを取り扱ってきたバーニーズも、大丸デザイナーを招いた店舗でのイベントを開催し、質の高いモノ作りの背景にあるストーリーを顧客に伝える取り組みを行ってきた。限定商品や別注品も毎シーズン展開する。同様のカテゴリーでは「シュタイン(SSSTEIN)」や「ヨーク(YOKE)」といった国内ブランドも好調だ。いずれもSNS発信やインフルエンサーの活用に長け、同店でもセールス面で存在感を高めている。
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