ファッション
特集 新アフォーダブル・ラグジュアリー 第2回 / 全17回

スウェーデンの女性像に着想 「トーテム」が紡ぐ日常着

無料で読める

PROFILE: (左)カール・リンドマン/「トーテム」共同創設者兼最高責任者 (右)エリン・クリング/「トーテム」共同創設者兼クリエイティブ・ディレクター

(左)カール・リンドマン/「トーテム」共同創設者兼最高責任者<br />
(右)エリン・クリング/「トーテム」共同創設者兼クリエイティブ・ディレクター
PROFILE: (左)(Karl Lindman)バロン&バロンのシニア・アートディレクターや「インタビュー・マガジン(Interview Magazine)」のデザインディレクターを経て、2014年に妻エリン・クリングとブランドを設立。ロゴやビジュアルアイデンティティーを手掛け、ブランドの世界観を築き上げている (右)(Elin Klingt)ファッション誌の出版を経て、2014年に夫カール・リンドマンとブランドを設立。プレタポルテやアクセサリーを含む全コレクションを統括。研ぎ澄まされた編集的な視点を生かし、強さと実用性を兼ね備えたシルエットを提案している

スウェーデン発のファッションブランド「トーテム(TOTEME)」は今、“新アフォーダブル・ラグジュアリー・ブランド”を体現する代表的な存在として注目を集めている。女性が担う多様な役割や日常における服の実用性に着目しつつ、素材感とシルエットにこだわったデザインで知られており、インスタグラム(Instagram)をはじめとするソーシャルメディアでは、ブランド独自の世界観を打ち出すことで、国籍や世代を超えた幅広い顧客層を獲得している。ブランド戦略とデザイン哲学について、クリエイティブ・ディレクターのエリン・クリングとブランド最高責任者カール・リンドマンに話を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月1日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)

ABOUT TOTEME

HISTORY
2014年
・エリン・クリングとカール・リンドマンがニューヨークでブランドを設立
2019年
・ストックホルムに最初の「トーテム」店舗をオープン
2021年
・ニューヨーク・マーサーストリートに店舗をオープン
2022年
・スティーブン・マイゼル(Steven Meisel)による初の広告キャンペーンを実施
・ “T-Lock” バッグを発売
2023年
・ジュエリーラインを発売
・ロンドン・マウントストリートに店舗をオープン
2024年
・パリで初のブランドショーを開催
・「トーテム」創立10周年
・ニューヨークでショーを開催
2025年
・中国・北京に旗艦店をオープン

WWD:ブランドを設立した理由は?

エリン・クリング「トーテム」クリエイティブ・ディレクター(以下、エリン):「もっと服が必要だから」ではなく、異なる場面で使える、日常生活に寄り添う服を提供したいから。「自分たちは何を求めるのか」「何にインスピレーションを受けているのか」と常に立ち返りつつ、現実や生活と深く結びつき、現代の女性に寄り添うことを目指している。

WWD:それぞれのキャリアは、どう生きている?

エリン:私はファッション出版業界でコミュニケーションの経験を持ち、カールはアートディレクションや、ラグジュアリー業界でブランディングや広告の仕事に従事していた。「『トーテム』を一つのハウスとして考える」という発想を大切にしながら、それぞれの経験を重ね合わせてきた。

カール・リンドマン「トーテム」ブランド最高責任者(以下、カール):エリンの経験を通して、私たちの主要な顧客である女性が追求しているものを知るようになった。私の経験は、単なるコレクションではなく、「ブランド」を解釈・表現し続けるクリエイションにつながっている。これまでの経験は、自分の気持ちを知るために通るべき学校のようなものだった。

スウェーデン文化を形に
特別な体験を手の届くところまで

WWD:「トーテム」は、ニューラグジュアリー、スウェーデンの伝統、キュレーション、クラフト、デザインという5つのコンセプトを掲げている。

エリン:昔はパリや東京、ニューヨークといった都市に拠点を持つことが重要視されていたが、今は世界のどこにいても、ブランドを築くことができる時代だ。スウェーデンの伝統に敬意を払い、スウェーデンという社会そのものや、スウェーデンの女性が大切にしている価値観、ライフスタイルなどを組み込んでいる。

この続きを読むには…
残り2819⽂字, 画像3枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Is AI GOOD?AIがもたらす「ゲームチェンジ」

「WWDJAPAN」12月1日号は、ファッション&ビューティ業界でいよいよ本格化する“AIゲームチェンジ“を総力特集しました。11月19日のグーグル「ジェミニ3.0」発表を契機に、生成AIは「便利なツール」から「産業の前提インフラ」へ変貌しつつあります。ファッション&ビューティ業界で浸透する生成AI及びAIの活用法とゲームチェンジに向けた取り組みを紹介しています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。