PROFILE: (左)カール・リンドマン/「トーテム」共同創設者兼最高責任者 (右)エリン・クリング/「トーテム」共同創設者兼クリエイティブ・ディレクター

スウェーデン発のファッションブランド「トーテム(TOTEME)」は今、“新アフォーダブル・ラグジュアリー・ブランド”を体現する代表的な存在として注目を集めている。女性が担う多様な役割や日常における服の実用性に着目しつつ、素材感とシルエットにこだわったデザインで知られており、インスタグラム(Instagram)をはじめとするソーシャルメディアでは、ブランド独自の世界観を打ち出すことで、国籍や世代を超えた幅広い顧客層を獲得している。ブランド戦略とデザイン哲学について、クリエイティブ・ディレクターのエリン・クリングとブランド最高責任者カール・リンドマンに話を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月1日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
ABOUT TOTEME
HISTORY
2014年
・エリン・クリングとカール・リンドマンがニューヨークでブランドを設立
2019年
・ストックホルムに最初の「トーテム」店舗をオープン
2021年
・ニューヨーク・マーサーストリートに店舗をオープン
2022年
・スティーブン・マイゼル(Steven Meisel)による初の広告キャンペーンを実施
・ “T-Lock” バッグを発売
2023年
・ジュエリーラインを発売
・ロンドン・マウントストリートに店舗をオープン
2024年
・パリで初のブランドショーを開催
・「トーテム」創立10周年
・ニューヨークでショーを開催
2025年
・中国・北京に旗艦店をオープン
WWD:ブランドを設立した理由は?
エリン・クリング「トーテム」クリエイティブ・ディレクター(以下、エリン):「もっと服が必要だから」ではなく、異なる場面で使える、日常生活に寄り添う服を提供したいから。「自分たちは何を求めるのか」「何にインスピレーションを受けているのか」と常に立ち返りつつ、現実や生活と深く結びつき、現代の女性に寄り添うことを目指している。
WWD:それぞれのキャリアは、どう生きている?
エリン:私はファッション出版業界でコミュニケーションの経験を持ち、カールはアートディレクションや、ラグジュアリー業界でブランディングや広告の仕事に従事していた。「『トーテム』を一つのハウスとして考える」という発想を大切にしながら、それぞれの経験を重ね合わせてきた。
カール・リンドマン「トーテム」ブランド最高責任者(以下、カール):エリンの経験を通して、私たちの主要な顧客である女性が追求しているものを知るようになった。私の経験は、単なるコレクションではなく、「ブランド」を解釈・表現し続けるクリエイションにつながっている。これまでの経験は、自分の気持ちを知るために通るべき学校のようなものだった。
スウェーデン文化を形に
特別な体験を手の届くところまで
WWD:「トーテム」は、ニューラグジュアリー、スウェーデンの伝統、キュレーション、クラフト、デザインという5つのコンセプトを掲げている。
エリン:昔はパリや東京、ニューヨークといった都市に拠点を持つことが重要視されていたが、今は世界のどこにいても、ブランドを築くことができる時代だ。スウェーデンの伝統に敬意を払い、スウェーデンという社会そのものや、スウェーデンの女性が大切にしている価値観、ライフスタイルなどを組み込んでいる。
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