
アパレル産業の中でもジーンズは、ユニークな立ち位置にある。最も普及しているアパレルアイテムの一つで、世界中どこでもジーンズをはく人を見つけることは難しくない。「リーバイス(LEVI'S)」「エドウイン(EDWIN)」などの専業ブランドだけでなく、「ユニクロ(UNIQLO)」「ザラ(ZARA)」「ウォルマート(WALMART)」などの大手アパレルチェーンや大手小売りは主力商材の一つとして、着心地の良いジーンズをマスマーケットに提供している。こうした需要の広がりは、テクノロジーに支えられている。生地生産から縫製まで、ジーンズは最も自動化の進んだ衣類の一つだ。世界トップクラスの巨大な生地メーカーであれば紡績からロープ染色、織り、仕上げ、そして倉庫への入庫まで、全工程でオートメーション化が進んでいる。縫製も同様で、ボタンやポケットの縫い付けなどは日本のエドウインの自社工場を筆頭にかなり早い段階から自動化・効率化が進んでいた。
かと思えば、逆にユニオンスペシャルやシャトル織機などの古い繊維機械を使って文字通りビンテージデニムをできるだけ忠実に作り上げることに情熱を注ぐマニアが世界中に点在している。
新旧のテクノロジーが混在し、併存するユニークな産業だが、マスからアルチザンまでどちらのジーンズも作れる国がある。日本だ。ユニークな立ち位置のジーンズを象徴する国なのだ。有力企業を通して「メード・イン・ジャパン」デニムとジーンズの現在地を探った。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月25日号からの抜粋です)
INTERVIEW:
後藤健太/45rpmスタジオ取締役
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